37時30分 ページ21
少し裏要素を含みます
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ホテルの部屋に着いた。
勇利はやっと泣き止んだ。私は冷蔵庫に入っていたペットボトルを開けてやり、勇利に差し出す。
「ほら、飲んで」
「ん…」
水が通る度に喉仏が上下する。赤くなった頰がとても色っぽい。
「ちょっと酔い冷めた?」
「うん、ありがとう」
私も水を少しもらい、サイドテーブルに置く。
ベッドに横たわってしまった勇利。目をつぶっているので「寝るの?」と聞くと「んー…」と曖昧にへんじをする。
そのまま寝るのはしんどいだろうと思ってネクタイを解いてやる。
「ん…A…」
「なーに」
ベルトも外してやると、その手を掴まれる。
「なに…?したいの?」
「は?……え?!違う違う!!」
どうやら勇利の言う「したい」とは、男女の営みのことを言っていると理解するのに時間がかかってしまった。
確かに私は全部終わったらいいとは言ったが、今だとは思っていなかったので心の準備もできていない。というか、これでは私が誘っているみたいで嫌だ。
「そんなに拒否しなくてもいいだろ」
「酔っ払いがなに言ってるの。寝るよ」
私は勇利に布団をかけ、自分の部屋に戻ろうとした。すると、お腹に腕が回ってくる。勇利の腕だ。
「もう少し、一緒にいて」
「…わかった」
ネックレスとイヤリングを外して布団へ入る。
「勇利はその…やっぱり、したいと思ってる?」
「…そりゃあ、好きだから。でもAが嫌ならしないよ」
「私だって、別に嫌なわけじゃないよ。ただその、初めてだから、怖くて…」
「僕だって初めてだよ」
勇利はそれをコンプレックスに思っているが、私はそれが嬉しかった。だってそれは、私が全て初めてってこと。他の女を知らない、私だけが知っている勇利という独占欲。
「A…」
「ん…」
唇を合わせる。入ってきた舌はお酒のせいか、いつもより熱い。
勇利は私の腰をぐっと自分の方へ引き寄せより密着する。
「っん、!」
硬いモノが足に当たっている。言わなくてもわかる、それは勇利のモノだ。腰にあった腕は背中にまわり、ドレスのファスナーをゆっくりと降ろししてく。
背中を触る勇利の手はとても優しく、全てを委ねてしまいたくなる。だめだ、こんな所で。そんなことをすれば明日ヴィクトルたちのいいおもちゃになってしまう。
「……ゆ、勇利?」
「すー…」
動かなくなった勇利に声をかければ、気持ち良さそうな寝息が聞こえた。
「はぁ…」
深いため息が部屋に響き渡った。
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みのりん - めっちゃ感動したし胸キュンも止まりませんでした(*´Д`*)素敵な作品を有難うございました! (2018年2月24日 0時) (レス) id: d4ae6c081b (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/閲覧出来ませんでした。サイト名載せていただけると助かります! (2017年7月29日 22時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
佳歩(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/で調べたのですが閲覧できませんと出てしまい他の調べ方などないですか? (2017年7月29日 19時) (レス) id: c55f7a31e6 (このIDを非表示/違反報告)
柚子 - 宇佐木さん» 残念ですが、見つかりませんでした…。 (2017年2月24日 6時) (レス) id: 2ff9f67844 (このIDを非表示/違反報告)
宇佐木(プロフ) - 柚子さん» 「ずっと待ってる。番外編」としています。私も対応できるよう努めますので、いつまでも見つからない場合はご面倒だとは思いますがまたご連絡ください。よろしくお願いしますm(_ _)m (2017年2月23日 7時) (レス) id: 871fe467c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇佐木 | 作成日時:2017年1月10日 21時