誘拐 6 ページ6
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肩に伝わる暖かさがやけに気持ち悪い
「そんなに怯えているのなら…」
抵抗力のない私に体を寄せ、耳元で囁く
「─────────恐怖でAちゃんを閉じ込めるのも、
一つの方法だと私は思うのだよ。」
『…っ…ぁ…ああ…』
涙が止まらなくて呼吸が苦しくなって
酸素が私を拒否する
悲しい顔をしていた彼は、私にそう囁くと先程までの顔が嘘のようににやけた
その姿さえ怖くて、全身が震え思うように動かせない
彼を心の底から怖いと感じては彼の思う壺なのはわかっているのに、体は正直で脳が私に彼は恐怖の対象だと叩き込む
「うふふ…可愛い私のAちゃん。
これからの生活が待ち遠しすぎるよ。」
『さ、わらない…で…っ』
するりと細い指で私の髪をひとすくいし、愛おしそうに撫でる
「心の底から、誰よりも君を愛しているよ。
ここにいれば私以外にはもう、会えないね?
うふふ…」
・
あれから何時間経ったのかわからない
部屋にはカレンダーも時計もなく、窓も無い為完全に時間がわからない
今は一体何時なのか、朝なのか昼なのか夜なのか、何時間寝ていたのか
誘拐されてからどれだけ時間が経ったのか、何一つわからない
まるで一人だけ置いていかれているかのような孤独感が無性に怖かった
「おはようAちゃん。」
ゆっくりベッドから起きあがると、扉によっかかりながら腕を組みこちらを見詰めている太宰さんがいた
「お腹は空いてないかい?何か持ってこようか」
『いら、ないです…空いてないから…』
嘘
本当は倒れそうな位お腹が空いていた
それでも、彼から与えられる食事を摂るだなんて考えられなかったし、ましてや変な物を混ぜられている危険性もある
絶対に太宰さんから与えられる食事は口にしたくはなかった
「そうかい…お腹が空いたら何時でも言ってくれ給え。」
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茉耶 - 最近あひゃこさんの夢小説ばっかり見ていつも泣いてます!毎回いい作品をありがとうございます!!また太宰さんの小説書いて欲しいです! (2019年8月11日 16時) (レス) id: 2037e6e45f (このIDを非表示/違反報告)
−こま−(プロフ) - 太宰さんんんんん!!かっこいいーー!!!好きですううう!作者さんも、太宰さんも愛してます← (2018年11月22日 20時) (レス) id: 43a4a6fc1b (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - すっっっごい面白かったです!ヤンデレ文豪さん、ほわぁ…真逆中也さんがあんなことをしていたなんて、さいっっっこうのドンデン返しでしたっ!私あんまり死落ちのヤンデレさん好きではないんですけど、すっっっごい面白くて、好き以外に選択肢がなかったです。 (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - かしさん» コメントありがとうございます! いつも死ぬ時は大体途切らせちゃってるのでわかりずらいんですよね(><)すみませんm(_ _)m 閲覧ありがとうございます! (2018年6月19日 21時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
かし(プロフ) - 物凄く面白かったです!最後に夢主の回想が途切れた時はえ?あれ?タブレット壊れた?と思いましたが、そう言うことだったんですね! (2018年6月19日 17時) (レス) id: 5b825520a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:私です x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年3月27日 11時