８８、軍パロ（if） �� ページ44
『……いや、それよりグルッペン。
お前でっかくなったなぁ』
gr「……は？」
きょとんとした顔をするグルッペンに、未だ色あせない小さな少年の姿が重なる。深緋の大きな瞳を、ぎらぎらと純粋に光らせていた彼が。
『…Mut wird Sie auf den richtigen Weg führen.』
gr「っ！？」
kn「…むっど？」
gr「Mut wird Sie auf den richtigen Weg führen…【勇気は汝を正しい道に導く】」
『…少し昔話をしよう。
俺が…いつだろう。ずっと昔、とある少年に教えた言葉だ。どこかの偉人の言葉だった気がする』
────その少年は悩んでいた。
「自分が正しい道を歩んでいるのかわからない。自分のやっていることは正しいのか」と。
────その少年には野心があった。
信頼できる仲間を集めて、自分たちの手で【正しい国家】を創ることだった。
ただ、少年にはその【正しい国家】の形が分からなかった。
「親の言うことを聞くのが正しい人生だろうか。
弱きを助けて強きを挫くことが正しい人生だろうか。
がむしゃらに強さを求めることが正しい人生だろうか。
人が幸せなことが正しい国家だろうか。
戦争をしないことが正しい国家だろうか。
外界をシャットアウトすることが正しい国家だろうか。
人々を一つの思考に導くことが正しい国家だろうか。
そもそも正しいとは何なのだろうか。」
少年は迷いに瞳を揺らしながら言う。
「流浪の人、貴方ならわかるだろうか。正しい、とはどういうことだ」
『……俺にもわからないよ。それでも俺は俺の思う正しい道を歩んできたつもりだ。
だけど俺の信じた国は滅びた。それどころか俺に【呪い】すら背負わせていった』
「…それは貴方が間違っていたから？」
『いや、俺はそうは思わないよ。俺は正しかった。皆だって正しかった。でもダメだった』
「じゃあどうして」
『皆の「正しい」がそれぞれ違ったからだ。それがぶつかった。この戦争では最終的に正しかったのは武力だった』
「武力…」
少年は神妙な顔で俺の言葉を繰り返す。
『必ずしも武力が正しいわけじゃあない。
でもこの世界では何でも、武力ですら、戦争ですら、正しさになりうる。
逆に善意が正しさにだってなるかもしれない。』
「じゃあどうすればいい。俺は何を正しいと信じて生きていけばいい」
…縋るような眼をこちらに向ける少年の手を握り、俺は彼の耳元で告げた。
gr「…Mut wird Sie auf den richtigen Weg führen…彼が言った言葉だ」
『大正解』
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ぴーなっつばたぁ - おにぎり食べたくなった (2021年2月7日 1時) (
レス) id: 6fbe1bac58 (このIDを非表示/違反報告)
ぱいなっぷるんるん - 68話の中に三葉惣助いるの草 (2021年2月3日 22時) (レス) id: 9aa5a19581 (このIDを非表示/違反報告)
何処かの島のあかさかさん - 67話の歌…wwww某番組のじゃないですかwいつも楽しく読んでます！頑張って下さい！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: a2c93f41d2 (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - いまさらですが、出来ればしょーてんがみたい…ある動画から使うとかでもいいので、できれば…！ (2020年3月25日 1時) (レス) id: 6dd1ea0e59 (このIDを非表示/違反報告)
水面(プロフ) - え、何この作品。マジ神じゃん何なの？軍パロダイジェスト面白くて続き見たいと思ってしまった…何なら書きたい…無理だけど(おい)ご飯作るとこでショッピ君がのってきたん意外だったけど好き。ありやな。続き書くの頑張ってくらはい。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: b8e2c4535c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稀 | 作成日時：2019年8月18日 19時
