６２、人のアタタカミ ページ18
『ご、ごめ…なんか…』
rb「ど、どしたん？」
『なんか…申し訳なさ過ぎて…俺…ゲホッ』
em「あーあー。わかったわかった。泣かんで」
洗面器を端に寄せたエミさんが膝を折って俺の背中をさする。
オロオロしてたロボロも近寄ってきて、俺の手を握った。
『ほんま、ごめ…っ、迷惑ばっか…』
rb「迷惑なんかじゃないで！俺らが勝手にやってることやし」
『み゛んなそうや゛っていう゛』
優しすぎて怖い。なんで？なんで俺みたいなのに優しくするの？？？
泣くよ？(泣いてる)
出てこない言葉の代わりに嗚咽と涙だけが溢れ出していく。
横ではロボロとエミさんが何かを話していた。
em「…失礼」
『…え、わぁっ！？』
と思ったらエミさん突然の抱擁。驚きを隠せない。
エミさんは俺の背中をポンポンと規則的に優しく叩き、片方の手ではゆったりとした手つきで俺の髪を梳く。
em「…大丈夫やから。誰も君のこと迷惑やなんて思ってへんよ。な？」
rb「そやぞぉ。皆Aが大好きで、大切な友達や思てる。だからこうやって世話焼くし、周なんかはこないだみたいに甘えに来るんや。迷惑や思っとったら、誰も君に構わん」
『でも、でもぉ…っ！俺、っ、なんもしてやってない…』
rb「なんやぁ。お前の人間不信は天性かぁ？」
em「見返り欲しくてやっとるんちゃいます。ただ君が心配だからお見舞い来てん。
君、例えば惇さんがぶっ倒れたって聞いたら同じことするんちゃうん」
『する……』
rb「んふふ、そやろ？それと一緒やねん。だからほんまに気にせんといて」
…ほんまにお人よしやなぁ。なんて悪態を普段ならついてたけど、今はそういう気分になれんかった。なぜならしんどいからです。
『…っゴホッエホッ、ェ、ぁ』
em「んーんー、辛いなぁ。熱高いもんなぁ」
rb「吐きそうになったら言ってな」
完全に幼児への対応なんだよなぁ…文句言えへん…今の俺幼児退行してんのわかるから…
『…グスッ…ごめん…ありがと…寝る…』
em「ん、寝る？体はいい？」
『明日風呂入る…』
rb「わかった。じゃあ俺ら帰るな」
『んー…わざわざありがとうなぁ…』
rb「いーってことよ」
em「困ったときはお互い様ですから」
俺を布団に戻したエミさんが掛布団の上から一回だけ、ぽん、と俺を叩く。
ロボロはぐしゃぐしゃと俺の髪をかき乱した。
最後に俺の冷えピタを張り替えると、二人は「お大事に」と告げて帰っていった。
…久しぶりに人の温かさに触れました。
６３、心はいつまでも少年でいたい→←６１、熱の時の涙腺のニートっぷりったら
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 792人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴーなっつばたぁ - おにぎり食べたくなった (2021年2月7日 1時) (
レス) id: 6fbe1bac58 (このIDを非表示/違反報告)
ぱいなっぷるんるん - 68話の中に三葉惣助いるの草 (2021年2月3日 22時) (レス) id: 9aa5a19581 (このIDを非表示/違反報告)
何処かの島のあかさかさん - 67話の歌…wwww某番組のじゃないですかwいつも楽しく読んでます！頑張って下さい！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: a2c93f41d2 (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - いまさらですが、出来ればしょーてんがみたい…ある動画から使うとかでもいいので、できれば…！ (2020年3月25日 1時) (レス) id: 6dd1ea0e59 (このIDを非表示/違反報告)
水面(プロフ) - え、何この作品。マジ神じゃん何なの？軍パロダイジェスト面白くて続き見たいと思ってしまった…何なら書きたい…無理だけど(おい)ご飯作るとこでショッピ君がのってきたん意外だったけど好き。ありやな。続き書くの頑張ってくらはい。 (2019年9月18日 23時) (レス) id: b8e2c4535c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：稀 | 作成日時：2019年8月18日 19時
