救護所 ページ41
善法寺伊作side
「これは園田村特産の痛み止めだ。量をあやまると毒になる。僕の許可なく使わないこと。」
この救護所で行われるのは、麻に広がる薬草の仕分け作業。
外はもう真っ暗で、先生や六年生がちらほら見回りをする。救護所には一年生の乱太郎、伏木蔵もいる。
「乱太郎くん、少し休みます?」
「ほな俺が連れてったるわ」
安倍セットも。
「雨明さん、乱太郎を左近と数馬に交替してもらってください」
「分かった…!?」
雨明さんは乱太郎を抱えると出口へ方向を変える。だが足は進まず、止まっていた。雨明さんの前には人影。
「お前…!」
「何者だ!!」
「____曲者だよ」
人影に投げた包帯は手に取ることも避けることも無く頭に当たり、床に転がる。
灯りが男を照らし、その姿は包帯だらけの大男、雑渡昆奈門さんだ。
「マジで来んなや…」
「え?どういうことですか?」
「何だい雨明くん、説明してないのかい?それなのに安倍先生は連れてきてるの?」
「私を人質に差し出すの雨!?」
「誰もそんなことせんわ!!!」
というか、雑渡さんはここにいて良いのだろうか不思議だ。六年生の見張りを振り切ったのかな。
「それで、こちらに何用で?雨も教えてくれた方が良かったのに…お茶出します?」
「君は曲者を招かないようにね。それに、そこまで長居するつもりはない。」
雑渡さんはそう言いながら安倍先生の頭を撫でると前に腰を落とす。
「善法寺くんはひと月前ぶりかな」
「あぁ、僕の宿題はタソガレドキ軍の旗だったので…もしかしたら知らないところで会ってたりしてますかね!」
「会ってるよ。君が応急処置をしてくれたから、私もこうして気付かれずに忍ぶことも出来る。」
「さすが善法寺くん。戦なのに誰彼構わず治したんだね。」
タソガレドキ軍の旗を割いて包帯にしたから、宿題は不合格だったんですけどね。
戦の最中だったから、手当してきた兵の中に雑渡さんもいたんだなぁ。確かに一人包帯の男を手当したなと思い出す。
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イチゴじゃむ(プロフ) - 擂さん» わわわ嬉しいです!!ありがとうございます!!(*´-`*) (2019年9月12日 21時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
擂 - 映画の話嬉しいです!この小説大好きです! (2019年9月11日 17時) (レス) id: dbb2f34f73 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴじゃむ(プロフ) - あああ。さん» ありがとうございます!笑了解しました!(^ω^) (2019年7月14日 9時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
あああ。 - 続編おめでとうございます!!もう保健委員会の喜びの舞踊りました、、、リクエストなのですが、久しぶりに鉢屋三郎との絡みが欲しいです!!一生応援し続けます.........! (2019年7月14日 0時) (レス) id: de8812076d (このIDを非表示/違反報告)
イチゴじゃむ(プロフ) - 棒人間さん» 了解しました!番外編の方で作らせていただきます!ありがとうございます(^ω^) (2019年7月12日 23時) (レス) id: 842ab961ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチゴじゃむ | 作成日時:2019年7月10日 21時