リハーサルは、いらない/1 ページ26
◇
刻々と近づく放課後。
五限、六限、と授業が過ぎていくたびに、心臓がうるさいくらいに跳ねる。
───そして、放課後を迎えてしまった。
今日はユニットの練習も、部活も、生徒会の仕事もない。
告白するなら絶好の日。
それでも。
「…俺、できんのかな…」
心臓が張り裂けそうなくらいに痛い。
今から俺、告白するんだ。
そう思うだけで心拍数が上がる。
ステージに立つ時や、テレビに出る時とは比べ物にならないくらい今、緊張している自信がある。
茜差す2Bでひとり、用事に出かけて行ったAを待つ。
この時間さえも緊張してしまって、今いる場所がいつもの2Bじゃなくて、全く違う場所のようにすら思えて。
ああやっぱり、俺って弱虫。
大事な時に何もできないんじゃ、意味ねえじゃん。
自然と握りしめる手の力が強くなる。
「真緒、ごめん！ ちょっと話が長引いちゃって」
息を切らして2Bに戻ってきたAに、赤く染まった顔がバレないように普通を装う。
きっと俺の顔は、外で燃えるように赤い夕陽と負けないくらい、真っ赤に染まっている気がする。
「ああ！ 大丈夫だ！
それより、最後の練習付き合ってくんね？」
「はいはい、約束してたし」
Aは「はいどうぞ〜？」と言って、俺の前の席の椅子を引いて座り込む。
「好き！」
「もっとドラマチックに」
「好き〜♡」
「なんかキモイ」
「好きなんだYO!」
「ラップ口調とかときめかない！」
「好き〜」
「もっと感情込めて！」
十回以上「好き」の練習をして、「いいじゃん、それがいい」と笑ってAは席を立つ。
「応援してる」
Aはいつものやさしい顔で笑った。
行っちゃう、Aがどこかへ。
そんなの絶対嫌で、それで。
「ッ待って！」
◇
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まいとりー。(プロフ) - 夏目かこさん» 夏目かこさん、コメントありがとうございます。そうです、大正解です！！ (2022年9月14日 7時) (
レス) id: a716690bac (このIDを非表示/違反報告)
夏目かこ - ハニワですね、告白予行練習 (2022年9月13日 23時) (レス) @page3 id: 26710bd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいとりー。 | 作成日時：2021年11月20日 23時
