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34、子どもだから?(雅視点) ページ35

花嬪様を呪う札が見つかったと
急遽、花嬪様付きの護衛隊である
俺たち3人が王様の元に集められた。

「ごめんな、俺の監督不行届きやわ…」

確かに王室のことは王様にも
責任があるかもしれないけど
ここで謝るのは王様じゃないと思う。

王様は何も悪くない。

あんなに優しい花嬪様だって…

「王様が謝ることではありませんよ」

王様の言葉に、すぐ返したのは真咲くんだった。

「そうですよ。
まずは花嬪様の安全を第一に考えましょう」

それに続いて橙摩も発言した。

その言葉を聞いて、王様は少し考えてから

「真咲はすぐに花嬪のところに行って欲しい。
真咲が側におった方が花嬪も安心するやろうし」

「承知いたしました」

と、真咲くんを花嬪様の元へ向かわせた。

「雅と橙摩は、この件について調べて欲しい。
花嬪の気持ちが落ち着いたら真咲も合流させるわ」

『承知いたしました』

護衛隊として、捜査に関わるのは初めて。

それだけ花嬪様の周りは平和だった。

なのに…

「なんで花嬪様が…」

同じことを思っていたらしい橙摩が声を漏らした。

「なんで、位の高い人たちは、これほど
安心しない生活を送らないといけないんだろう…」

橙摩の言う通りだ。

やっぱり目立つ人は、攻撃の的になりやすいのかな?

納得いかない…

「あんなに優しい花嬪様と、王様。
花嬪様と仲の良い王妃様…悪い人なんていないのに」

「やっぱり太陽か、月かの争い?」

って橙摩に聞くと

「他に思い当たることないからなぁ…」

と言いながら頭をかいた。

複雑というか、モヤモヤする…

このモヤモヤを捜査に当てたら良いのか、
でも当てすぎたら真実を見失いそうで難しい。

そう思うのは俺が、まだ子どもだから?

35、涙(真咲視点)→←33、誰が(花嬪視点)



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作者名:空井 奏音 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年1月2日 19時

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