20、甘えない(花嬪視点 ) ページ21
「あまり褒められたものではありませんよ」
「申し訳ございません…」
謹慎が解けた翌日。
大妃様の元へ、朝のご挨拶に来た。
私が軽い謹慎中だったことは
王宮の中でかなり知れ渡っている。
でも非難されることはなかった。
むしろ、行動力がある、
優しさに溢れているなどと好印象。
きっと、それは私が太陽派だから。
相当なことでない限り、
私は何をしても良い方の意味を持たれる。
良くない風習…
そこに甘えたら、私は私を嫌いになる。
きっと生きているのが辛くなる。
だから、絶対に今の環境に甘えない。
人の上に立つ者として、
私を支持してくれる人たちを
失望させてはいけない。
でも、もし、私が太陽派ではなく月派だったら、
どうなっていたのだろう?
きっと、想像を絶するほどの陰口、嫌がらせ、
何かと理由を作られ、降格または廃位だっただろう。
そんなことが当然のように行われかねない王宮。
月派の代表として、王妃の座にいる
かな様は、どれほどの圧力の中、
その座を守り、仕える者たちを守っているのだろう。
私なら、到底、耐えられないだろうな…
私よりも、もっと強い覚悟を持っている。
そこに劣らないよう努力しないと…
「護衛にした中には、花嬪の弟がいるとか」
「はい。双子の弟が私の護衛隊長です」
正式に私の護衛部隊が確立され、
真咲は護衛隊長になった。
喜ぶべきなのか、なんなのか…
「花嬪の弟は勉学も武術も申し分ないと聞いた」
「そうですね…昔から努力家ではあります」
「そうか…」
…???
どうして、それほど真咲について聞いてくるのだろう?
私の、考えすぎなのかしら…
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