一雫 (ページ31)

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｢大学生になって、一人暮らし？｣

｢うん。向こうでもバイトしてたから
こっちで一人暮らしするぐらいの余裕はできた。
おかげで今は大学生を楽しんでます｣

ほのかが、ここまで
どこにでもいるような女の子になったのは
他でもない健水たちのおかげ。

ほのかの成長スピードを急かすことなく
彼女ができるところから
少しずつ、少しずつ、人間不信を減らして
彼女が自分からクラスメイトに
笑顔で話しかけられるようになるまで
サポートしてきた。

彼女は、その場所を転校という形で
巣立ったのだ。

巣立った彼女が今も笑顔で人生を楽しんでいる。

そんな彼女を見て
さくらは心から嬉しく思った。

｢今から大弥くんとデートでしょ？時間、大丈夫？｣

｢んー…そろそろ行かなきゃ。
もっと、ほのかと話したかったなぁ…｣

｢さすがにデートの邪魔はできないよ。
大丈夫。これから、いくらでも会えるから｣

｢…そうだね！
じゃあ来週あたり、みんなで集まろうよ！｣

｢日付決まりそうになったら連絡して？
必ず予定を合わせるから｣

｢了解！それじゃ！｣

｢うん！｣

走ってい行く、さくらの後ろ姿が見えなくなるまで
ほのかはずっと笑顔で手を振っていた。