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「ど、どうして、それを…」

健水の言葉に恐る恐る、尋ねた。

こうして家族以外と話すことが彼女にとって
いつぶりかわからないぐらい久しぶりで
この話し方が合ってるのかどうか
彼女にはわからない。

その気持ちをわかってか、ただの優しさか
健水は彼女が頑張って発する一言、一言を
ちゃんと最後まで聞いてから、返事した。

「さくらがそう言ってたのと、なんとなく」

「なんとなく…?」

そんな健水の優しさに気づけるほど
彼女に余裕はない。

そのため健水からの言葉を必死で聞いて、
必死で波風を立てないように気をつけている。

それで精一杯だった。

「俺も…っていうか、俺、女性恐怖症やねん」

「え…?」

突然のカミングアウト。

彼女は動揺して思わず顔を上げ、健水と目が合った。

その目を見て、健水も驚いた。

いつも俯いて見えなかった彼女の綺麗なブルーの目。

その瞳を見て、思わずドキン…としたが
健水は話を続けた。

「中学生のときにさ、女の先生に襲われて
誰にも相談できひんくてさ、怖いのに。
そのうち、そのことがバレて学校中に知られて
俺の居場所なくなってもうてん。
先生は教員辞めてどっか行ったけど
俺は何もできんくて、耐えるので精一杯やった。
それで大阪から、こっちの学校に進学して
光黄くんと出会って、1年かけて克服した。
まだ怖いって思うことはあるけど、
こうやって話せるぐらいには大丈夫になった」

それを笑って、普通に話す健水。

そんな彼と比べてしまうほのか。

彼女の心の中は、ぐちゃぐちゃだった。

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星空宇宙(プロフ) - すぐ帰るとことか同じ過ぎる (2020年12月5日 21時) (レス) id: 4c7289b17b (このIDを非表示/違反報告)
星空宇宙(プロフ) - 今の私の現実と同じすぎて奏音ちゃんの表現力に鳥肌たったしめっちゃ跳び跳ねてる! (2020年12月4日 19時) (レス) id: 4c7289b17b (このIDを非表示/違反報告)
星空宇宙(プロフ) - 奏音ちゃんありがと( *´艸) (2020年12月4日 19時) (レス) id: 4c7289b17b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空井 奏音 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月4日 19時

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