15、健水視点 ページ15
宙｢兄さん、これを…｣
〜麗王女の過去〜
王様と麗王女の母親は心から愛し合い、
王族と召使いという壁などものともせず結ばれた。
二人の間に麗王女が生まれ
彼女は王様の知性と前王妃の美しさを受け継ぎ、
誰よりも輝きを放っていた。
しかし身分の低い前王妃が周りの欲に溺れ、
どんどん狂っていった。
誰彼構わず、罵倒を浴びせ、物を破壊し、
ついには自ら命を絶とうともした。
その姿に片時も目を離さず側にいたのが麗王女。
誰にも、どうすることもできないまま
病気により急死した。麗王女が15歳のときだった。
それから彼女は人が変わったように
それまでの取り組み(城外への視察、教養など)に
力を入れた。
現王妃が貴族から王妃となってからも
誰も注目しなかった。
すでに麗王女という立派な跡継ぎがおり、
王妃はお飾りも同然だった。
そのため王妃派と麗王女派という派閥が
トルヴィアノ城内のみでできている。
誰よりも努力を惜しまない彼女を
王様だけでなく家臣たちの期待も高まっている。
期待ばかりが彼女を包んでいる。
そこに愛情はあったのだろうか。
そんな彼女に女神が宿ったという話は事実である。
ここまでの話に嘘、偽りは無い。以上。
麗について
ほんまに、いろいろ調べてんな。
紙に、びっしりと書かれてる。
ここまで、よう調べたわ。
あれだけ調べても、なんもわからんかったのに。
ていうか、嘘が無いって？
ほんまに女神が宿ってんの？
宙｢僕、彼女のこと、誤解していました…
彼女は、あぁならざるを、得なかったんだって、
これだけ調べて、やっとわかりました…
僕は親の顔を知りません…
でも兄さんが、みんなが、いてくれました…
でも、彼女には…｣
健水｢もう泣かんで良い。大丈夫や｣
多くの人が王族は恵まれてると思うやろうな。
でも実際は、そうとは限らん。
それなりに、何かしらの壁がある。
彼女は愛情ではなく、期待のみで育った。
そして、それに応えるしか生きる道が無かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空井 奏音(プロフ) - あるぱかさん» コメントしていただけて、すごく嬉しいです(>_<)ありがとうございます！そんな風に言っていただけるとは…(TT)素敵な作品になるように頑張りますね！ (2020年1月2日 19時) (
レス) id: a2ac2c9dcc (このIDを非表示/違反報告)
あるぱか(プロフ) - 急なコメント失礼します！ついに推しメインの作品を書いていただき、とても興奮しております！笑 健ちゃんの卒業発表があり号泣でしたが、この作品を読んだら笑顔になれました！風男塾のこれからとこの作品のこれからを楽しみにしてます！！ (2019年12月28日 1時) (レス) id: f96fc9fa91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
