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「一体、どういうことだい?」


与謝野はご主人様を見てから、私を見てそう言った。
私が自己紹介しようとする前に、国木田が「太宰待ちだ」と答えた。


「…へぇ、アンタ名前は?」


ふと、与謝野は私に向かってそう言ってきた。
『羅生門』と答えると、与謝野は首を傾げた。


「羅生門って、芥川の異能だろう」
『だから、私、その羅生門!』

「分離したってことか」

『うん!』


「面白いことになってんねェ…」と与謝野はそう言った。
そして私と目線を合わせてきて、谷崎と同じ「飴要る?」と言ってきた。

…探偵社員の人達は飴を配る趣味でもあるのかな?


『谷崎に貰った!食べちゃった!』
「おや、そうだったの。じゃぁ大人しくしてるんだよ」

『うん!』

「…元気な子供だねェ。芥川とは大違いだ」


そう言って優しく頭を撫でてくれた。
…暖かい人の手。
思わず手を取って頬に持ってくると、ハッ!として手を離した。


(む、無意識にっ〜!!)


「…」
『ふ、触れちゃった…大人しくしてるっ』


ギュッとコートを掴んで手を動かさないように意識した。
大人しくしててね。って言われたのに動いちゃった。

思わず自分に驚くと、与謝野は大笑いしていた。


「異能力の割に、随分可愛い子じゃない。ねェ?芥川」
「黙れ。何も言うな」

「こりゃ本当に面白いねェ」


そう言って与謝野はたくさん撫でてくれた。
「甘えていいんだよ?」と言われて、思わずたくさん甘えた。
ぎゅーっと抱きしめてもらえると、すごく嬉しくて優しかった。


(暖かいなぁ)


『えへへ、暖かいなぁ。与謝野、頭撫でてぇ』
「…おやおや」

『んふふ、えへへ…』


思わず照れながら声が溢れた。
気持ちがいっぱいになったから、声にまで漏れちゃった。
探偵社はそんな私をの様子を見てどこか微笑んでいた。


(嬉しい…けど…)


ご主人様は真顔でこちらを見つめては何も言わなかった。
殺気がずっと漏れていて、ずっと軽快してる。


(ご主人様にされなきゃ、また冷たくなって意味無い…。)

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シグマ(プロフ) - ペネロッペさん» 閲覧ありがとうございます!はい、少し更新停止です。大体半分くらい書けたので少し物語の整理をしてからまた書き進めたいな…と!ゆっくりになりますがよろしくお願いします! (2022年11月2日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - サキさん» すみませんっ!気づかなくて返信遅れました。うふふ、どうなるかはこれからお楽しみ下さい。いつもありがとうございます! (2022年11月2日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - こ…更新停止ですか……? (2022年11月1日 12時) (レス) @page27 id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - 来るなと拒絶して捨てるのはいいけど乱歩さんの話聞いてた芥川君とツッコミたいですね愛してあげて抱きしめないと無理と言われてたのに太宰さんや森さんに叱られかねん対応ですね (2022年10月25日 8時) (レス) id: 4d7646cafb (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - サキさん» えへへ、ありがとうございます!凄く嬉しいッです!それに2回もコメントありがとう! (2022年10月15日 6時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2022年9月24日 22時

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