親戚が推しだなんて聴いてない【うらたぬき】

39話 ページ41

うらたside


「天月くんから聞いたよ。辛い事あったん、知らんかった…役にたてなくて、ごめんな」



坂田の、いつも通りの優しい声が、暗い雰囲気を包む。





「辛いんやったら、何時でも頼ってええんよ」






『…私、リスナーなんですよｯ？リスナーと関わりを持つなんて良くないですよｯ』






「確かに、Aはリスナーだ。けどさ、家族を大切に思っちゃいけないのだとしたら、俺は｢うらたぬき｣を辞める」




リスナーのおかげで此処までこれた。




だから、リスナーも家族みたいな存在。






俺の事をよく知るリスナーさん達なら、受け入れてくれるはずだ。





もし、否定されたら、今までのは全て、無かったことにしよう。






全部、「うらたぬき」の全てを棄てて、ネットからは離れる。







前々からその覚悟だ。







『ほんとに、良いの？迷惑じゃない？邪魔にならない？』







「「なるわけないでしょ？」」





Aの、暗闇が光に照らされていく。

40話→←38話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す