親戚が推しだなんて聴いてない【うらたぬき】

13話 ページ15

こんないい天気なのに録音だと、1日損した気分になる〜って坂田さん言ってたけど、確かにそうだと思う。




冬にしては珍しく10度越え。





課題を進める手を止めて耳を澄ますと、うっすらと声が聴こえてきて、真面目にやっているんだなと実感する。





『あぁ……分かんない〜』




「あっ、ここな。ここに−6代入してからかけ算するんよ」



『んー…あ、解けた！…………ん！？！？』






後ろを振り向くと、知らない男の人が2人。




え、いつから？





怖い……






「浦田さんいるかな？」



『ｺｸｺｸｯ』




涙がｯ




「あぁゴメンな。怖がらせてしもうたよね、大丈夫よ〜俺らなんもしいひんから」




ニコッと笑われて、逆に恐怖心に触れられる。





「ただいまー…ってなんだ。来てたんなら防音室来てくれればいいのに」




お兄さんが帰ってきたのを確かめて、お兄さんの胸に飛びついた。

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