【ヒプマイ】月が満ちる時に。2

story53 side:you ページ7

『はい！分かりました！14日ですね？大丈夫です！』



ﾋﾟｯ__

電話が切れると忘れないうちに皮の手帳に｢14日 シブヤ 講演会｣と書き込む。

最近は仕事が定期的に入ってきて助かるな…

最初ボディーガードなんて、は！？って思ったけど案外これはいい仕事みたいだ。



『…ってあれ？１ヶ月先の14日にメモしちゃった…

…え？14日…あ！やば…比羅様の依頼、この日だったじゃん…、どうしよう。

ダブルブッキングじゃん…うわぁ…どうしよう！！』



つい14日が真っ白な手帳を見て大丈夫だ、と新規のお客様に返事してしまったがそれは１ヶ月先のページ。

今月の14日は私のお得意様である銀行長、比羅様の依頼が入っていた。



『どうしよう…比羅様の予定を取りやめる訳にもいかないし…』



急いで先程のお客様に電話をかけ直す。



『もしもし…！あ、先程お電話した、虚城です！

………はい、はい。ですよね…分かりました、何とか致します…』



やはり、こちらのお客様も予定を動かせないとのことだ。

どうしよう！…何とか致しますって何とか出来ないじゃんか！！！

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘ ﾋﾟﾘﾘﾘﾘ



『電話？…！お客様かな!?…って、この番号…一郎？

…はい、もしもし』


一郎｢おう！Aか？｣


『うん！そうだよ！』



一郎の声元気だなぁ…ん？一郎？…山田一郎？



一郎｢昨日弟達に話聞いた。

そういうことだったんだな、恥ずかしいところ見せちまってすまねぇ…

助かった。本当にありがとうな｣

弟達…山田の弟…



『全然大丈夫』


一郎｢今度お礼したいから是非またイケブクロに来てくれ！弟達もお礼したいって言ってたからさ｣



山田…、萬屋山田！！！！！



一郎｢…A？｣


『一郎！！お礼と言ってはなんだけどさ！

ちょっとお願い聞いてくれない？』


一郎｢ん？あ、あぁいいけど｣


『お仕事お願いしたいんだ！萬屋さんに』


一郎｢仕事？｣


『そう！…えーと、お仕事だから正式にお願いしたいから僕イケブクロの一郎の事務所に訪ねるよ！

いつ空いてる？』


一郎｢俺はいつでもいいぜ！｣


『じゃあ、明日の午後に行くから是非お願いします！』


一郎｢おう！…じゃあ、その時に！｣



ﾋﾟｯ__

一郎と昨日出会ったのは運命かもしれない…！


ダブルブッキングした仕事に片方を一郎に頼もう。

仕事としてお金も出せば大丈夫だよね？

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘ



『また電話？…メールか』


乱数《オネーサン何してる？遊ばない？》

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