story86 ページ41
幻太郎「日本人はその感性の美しさで月という星を愛を伝える手段にしたのです。
素敵だとは思いませんか?」
『…素敵だと、思います…』
幻太郎「月が出ていなければそんな言葉は生まれなかったのです。」
『そうですよね、…すみませんでし』
幻太郎「ですが小生は」
『…?』
幻太郎「好きですよ、貴女の考え方。」
『あ、』
幻太郎「月は本来満ちているものですからね。
欠けてその意味を失うというのは確かに、と納得してしまいました」
楽しそうにクスクス笑う夢野先生の影が星空の下、音もなく落ちていく。
ただ、それがとても綺麗で私は見とれてしまった。
幻太郎「Aさん、小生のことは“幻太郎”とお呼びください」
『えっ?』
幻太郎「小生もAさんのことは呼び捨てしても?」
『あ、えっと、…いいですけど…』
幻太郎「貴女のような感受性の豊かな友人がいれば小生も小説の花がさらに開くのでは、と思ったのですが…A、小生と友人になってくれますか?」
『はい、もちろん。喜んで』
輝かぬ月の夜空の日に交わした先生との約束。
風がふわりと私たちの間を通って行った。
--------------in 自宅--------------
『ただいまぁーつかれた…』
暗い部屋に電気をつけた途端、今日一日の疲れが体を襲う。
これで今月の仕事は全て終わり。
あーー!今月もやりきった!
私、偉いよ!
すると。
バッグの中のスマホが振動している。
誰かから連絡かな?
『…左馬刻…』
スマホに表示されていたのは“碧棺左馬刻”の文字。
…今は出たくないけど出なかったらこの世から抹消されそうだから出よう。
『はいもしも』
左馬刻「暇だ。会いたい」
いや、すごいストレート
てか今何時だと思ってんの。
『今から?無理だよ。もう少しで日付変わるもん』
左馬刻「いいだろ。別に。
どうせヨコハマに住んでるんだから」
『いや、そういう事じゃなくて…』
左馬刻「じゃあ明日。明日空けとけ」
『うん。いいよ。明日は空いてる』
左馬刻「明日は2人きり、だからな。
銃兎とか理鶯が邪魔してきても逃げるぞ。わかったな」
『何それ。はいはい、わかったよ。』
左馬刻「じゃあな」
『おやすみ』
電話を切ると静寂が家の中に響き渡る。
やっぱり、ちょっとだけ、寂しいな…1人の家は。
ふと机の上を見ると無造作に置かれた薬の袋があった。
“抑制剤”
『そろそろ薬、切れるな』
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hani-R - ルキさん» ルキ様。コメントありがとうございます。「ハマにハマれ」ですね笑わかりますめちゃくちゃわかります。ヨコハマは声優さんがキャラクター本人過ぎてもう心臓に悪いですよね…笑 (2021年2月13日 23時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 僕の推しは寂雷先生と独歩ちんです!!!!!!!最近、浅沼さんにハマってそこから駒ちゃん神尾さんとどんどんハマもハマりつつあります! (2021年2月13日 15時) (レス) id: 5d86928a65 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - Rさん» R様。作者です!コメントありがとうございます!心中お察ししますよ笑笑ほんとにみんなかっこよくて可愛くてそれなのにバチバチのラップかまされたらそれはもう惚れますよね笑三郎君!可愛い!なのに神童!好きになるしかない!笑 (2021年2月4日 7時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - コメント失礼します!!!推し?みんな顔が良すぎて‥三郎です!!!←もう、なんだよ‥顔が良いッ‥‥‥すいません取り乱しました‥失礼しました!!! (2021年2月2日 21時) (レス) id: 104d0cd352 (このIDを非表示/違反報告)
hani-R - らんらんさん» らんらん様、作者です!リクエストありがとうございます。全てを反映しきれるかわかりませんがなるべくストーリーに取り入れられるように頑張ります。これからも楽しんで読んで頂けると幸いです。 (2021年2月2日 18時) (レス) id: dbddb190fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lotus_r | 作成日時:2021年1月8日 1時