そんなに優しいもんじゃない。 ページ9
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三人組は、結構辛いものがある。
私達は、リーダー的な子が一人。
その子と家の方向が同じで、三年で同じクラスになった子が一人。
私はリーダー的な一人と二年から仲が良くて。二年は二人組だった。
でも、三年になって、もう一人が増えて。
その子達は、家の方向が同じだから、自然と一緒に帰ることも少なくなくて。
嗚呼、私の方が、その子と仲が良かったのに。なんて思うことは、日常茶判事で。
実を言うと。
私は、後から加わった子が、嫌いで。
昼休み。
弁当を食べ終わって、屋上に来た。のは良いけども。
｢フェンスに腰掛けてたら、危ないんじゃない？……岩泉｣
昨日の私みたいに、岩泉が錆びたフェンスに腰掛けてて。
｢お前の気持ちが、分かるかと思ってな｣
自慢の白い歯を見せて無邪気に笑う岩泉が、なんか、綺麗で。
｢……分かった？私の気持ち｣
｢全然。俺は死にたいなんざ思ったこともねえからな｣
空を見上げて、そっと目を閉じた岩泉は、錆びたフェンスから屋上の床へ。
錆びたフェンスのせいで汚れた手を払い、座る。
｢ほれ。考えるんだろ？お前が死ぬ方法｣
案外あっさりしてる。
もっと、なんか、こう、渋るかと思った。
昨日あんだけ取り乱していたのに。
なのに、どうして？
｢うん。考えよう。それより、屋上の鍵は？｣
｢担任から先に借りてきた｣
｢なるほど｣
岩泉はどれくらいの時間から屋上にいたのか。フェンスに居た気持ちはどうだったか。死ぬ恐怖を感じたか。
色々、気になることはあったけども。
それを聞くのは、野暮だと思ったから。
｢んで？お前、死ぬ方法に、なんかこだわりとかあんのかよ｣
こだわり。
死ぬのにこだわりとか。なんか、笑う。
｢無いよ。死ねたらなんでもいい｣
｢死ねたら……ねえ｣
別にこだわりなんてない。
私からしたら、早くこんな疲れる世界からおさらばしたい。
｢……女子の人間関係って、色々面倒なんだよ｣
｢……それが、お前が死にたいと思った理由か？｣
｢まあ、それもあるし、色々だよ、色々｣
何も突出した何かがある訳じゃないが、普段の何気ない憂鬱な出来事一つ一つに、嘔吐を催したくなるのだ。死にたいという、感情の嘔吐を。
突然、ふと、辛くて辛くて堪らなくなるのだ。
……そんな生活、もう、嫌だ。
｢話戻すけど、私は、死ねたらなんでもいい。
自分からでも、他人からでも。
殺されてもいいよ。
岩泉にでも……ね？｣
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あいうえお - すみません他の作品のパスワード教えてほしいですー！ (2023年2月18日 22時) (
レス) id: 8655edc292 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - たまたま見つけたこの小説でしたが、読んでよかったなあと思いました。私も夢主ちゃんと同じ感じで何もないのに死にたいとかめっちゃ思います。だからこそ共感できるし、なんか同じ気持ちの子がいるんだなって嬉しくなりました。好きです！ (2021年6月19日 6時) (レス) id: 85ad8c6978 (このIDを非表示/違反報告)
お水。(プロフ) - まーちさん» いえ！こちらこそ読んでいただき本当にありがとうございます！感動したと言っていただけて本当に嬉しいです。コメントまで残して頂き、励みになります！本当にありがとうございました！ (2020年12月29日 18時) (レス) id: 5c541d7487 (このIDを非表示/違反報告)
お水。(プロフ) - まふにゃさん» 歌詞だったんですね！気付きませんでした！今度検索してみますね！コメントありがとうございます！ (2020年12月29日 18時) (レス) id: 5c541d7487 (このIDを非表示/違反報告)
まーち - こちらの作品とても感動しました。少し、少しだけ感情が薄い私がなきそうになりました。こんな素敵な作品を作っていただきありがとうございます。 (2020年12月10日 21時) (レス) id: 65334a4eed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お水。
| 作成日時：2019年1月12日 17時
