9月1日。【HQ】

しにたいと。 ページ6

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｢ふざけんな！！聞いてりゃ、勝手に、自分の都合ばっかじゃねえか！！｣

痛い。

｢は？ダメ？自分第一の考えじゃダメ？なんで？あんたに関係ないじゃん｣

｢……あ？なんだよ、それ。
自分だけが辛いとか、思っちゃってんじゃねえの？ふざけんな！！辛いことなんて、皆あんだよ！！｣

知ってるよ、そんな事。

私からしたら、なんで皆、死のうとすら思わなかったのか、不思議なくらいだ。

嗚呼、異常に腹が立つ。

｢知ってんだよ、んなことは！！｣

バカ強い力で、胸ぐらを掴まれたまま、床に押し付けられていた私は、もう、どうしようもなく腹が立って。

思い切り、鳩尾を蹴った。

｢って……何すんだよ！！｣

｢うるさい、うるさいうるさいうるさい！！
ウザイんだよ！！知ったような口聞いて！！
なら私を止めてみなよ！！意地でも、死んでやる！！｣

我ながら、バカなことを口走ったと思う。

やっぱり、狂ってる。意地でも死ぬなんて、はは、笑える。

無我夢中で、岩泉を跳ね除けようとする。

けど。

｢あんた、どんだけ力強いのさ……！！｣

｢悪いが、女に負けるほど劣っちゃいねえんだよ！！｣

どんだけ足掻いても、胸ぐらを押さえつけられてるだけなのに、抜け出せない。

｢はは、逆に、私の何がそんなに気に食わないの？死なせてよ、ねえ！！お願いだから、死なせてよ！！｣

無理やり岩泉の手を首に持っていかせて、自分で自分を殺そうとする。

自分で命を絶ちたいなんて、贅沢なこと言ってられない。もう、死ねるならなんでもいい。

｢おい！！く、そが！！｣

岩泉が、私の手を振りほどいて、後ろに倒れる。

瞬間、一気に入ってくる空気にむせて、胃液を吐き出しそうになるのを、なんとか、呑み込む。

呼吸が、安定しない。苦しい死に方はしたくはなかったけど、仕方がないと、苦肉の策だったのに。

｢なんで！！死なせて、くれないんだよ！！｣

あまりに息がしづらくて、涙がボロボロと零れる。

先程まで、もしかしたら人を殺していたかもしれなかった岩泉が、目を見開いて、息を呑んだ。

｢死なせてよ！！お願いだから！！
もう、ウンザリなんだよ！！親の機嫌伺って、友達との空気読んで！！唯一打ち込めてた、部活が、なくなって！！

何もかもが、しんどくなっちゃったんだよ！！しょうが、ないじゃんか！！

大した理由じゃなかろうが、何だろうが、死にたいと思った私の気持ちを、否定すんな！｣


気持ち悪い。もう嫌だ。



……シニタイ。

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