8話 ページ8
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バコンっ
ベッドルームのドアの戸を思いっきり開け、あの人が追ってくる前にこの部屋を抜ける。
そして、このホテルから脱出する。
いや全裸だけど！
でもさ、多分ここはそういうことをする場所なんだから、別に裸の女性1人部屋から出てきたところで驚かれたりは……すると思うが、もうどうにでもなれ。
そんな気持ちで羞恥心を捨て、大衆の前で一糸纏わぬ姿を晒す覚悟をしていた。
はずだったのですが、
「………は？」
アクション映画やサスペンスなんかの類に興味のない私でも分かる。
扉を開けた先にいたのは真っ黒なスーツとサングラスに身を包んだ大柄な男たち。
いわゆる「SP」と呼ばれる人たちだ。
誰の目にも明らかなくらい「それっぽい」格好にいかつい見た目とごつい筋肉。
それが、1、2、３、４……。一体どれだけの人数？
いや、それだけじゃない。
なんでこんなに、広いの？
私の住んでいるアパートの一室、なんなら実家の一軒家のリビングなんかよりもずっと大きな部屋が広がっている。
大きな、というか大きすぎるテーブル。縁には細やかな飾りが施されていてそれだけでも私の一ヶ月分の給料が飛びそうだ。1人掛けとは思えない見るからにふかふかなソファ、高級感のある壁紙。
そして極め付けは、天井に輝くシャンデリア。
灯りもそこから灯っていて、ガラス質の装飾に反射し宝石みたいにキラキラ光っている。
城ですか！？
どう見たってホテルとは思えない。
いいや、こんなホテルあってたまるか！
あまりにも住む世界が違いすぎる光景に、私はワナワナと震えるしかなかった。
「あー…お前ら、いたんだ」
突然、背後に人の気配がしたと思ったら、そのまま私に覆い被さった。
次いで追跡者の声。ヤバい、すっかりこの部屋に見とれていたせいで、目的を忘れていた。
けど、完全にホールドされた私の体には、自由行動が許されていなかった。
「えっ、ちょっ、あ、ここは、どこで…？？」
さっきまで恐怖の象徴だったような人に、この場所はどこか、と聞いてしまうほどに私の頭は混乱していた。
「え？俺たちの家だけど？」
「…はぁ！？」
今までは、どんなに頭のおかしいことを言われてもそれなりに礼儀は欠かないようにしていたつもりだ。拒否するときも一応ちゃんと敬語は使ったし、そんなに失礼ではなかったと思うよ？けどこれだけは無理でした。
思いっきり大きな声で叫んでしまった。
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けんまおし1016(プロフ) - とてもおもしろいです！少し文章の間を広くしてくれれば読みやすいと思います！ (2022年8月17日 19時) (
レス) @page3 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - コメント失礼致します！！読んでて凄くきゅんきゅんしました、！！！素敵な作品を本当にありがとうございます😭💕💕 (2022年8月14日 5時) (レス) @page21 id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
ノンレム睡眠 - 前々から気になってた作品で読んでみるとど好みストレートでびっくりしました🙃 これからも愛読させていただきます！神作ありがとうございます🙌❤ (2022年8月12日 18時) (レス) @page21 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ir | 作者ホームページ：http://manaaa
作成日時：2022年7月16日 22時
