17話 ページ18
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商談が終わったのは、午後3時頃だった。外に出てみると、ランチタイムの混雑は少し緩和され、ほどほどに人が密集していた。
商談以外にもまだ仕事は残っている。だが、外はまだ明るい。そしてその仕事は、こんな時間にはそぐわない。
「おかえりなさい」
「あぁ」
この家は数ある俺たちの「住み家」だ。
社長やマフィアの頭としての顔など、俺には多くの面が存在する。住所と安全を確保するため、幾つか用意してある住み家を転々とする生活を送っているのだ。
この家もそのうちの一つ。家というより館、と言う言葉が合うような古くさい造りは、俺の親父の趣味だ。
本当はこんな場所すぐにでも捨て置いてしまいたかった。求めているわけではないが、いい思い出なんて一つもないこんな場所、気分が悪くなるだけだ。
それでも、先代の地を易々と手放すというのはいささか世間体が悪い。もちろん、こちらの世界での。
それに元いた幹部達にとっては思い出の場所だ。
だからこそ、あえて自分の手元に置いているのだ。
簡素に挨拶をするのは“アカギ”の幹部である部下たちだ。その声に同じく短く応え、俺はひとり書斎に向かう。
「帰ったのか」
「今な」
部屋は二十畳程度の、割と狭めな造りだ。大層な造りにしたところで、みる人間なんてごく少数の限られた幹部か俺だけなのだ。あえて広くする必要もない。
「話は聞いてるな？」
「あぁ。ちゃんと調べておいた」
ばさり、と机の上に置かれたのは大量のA4コピー用紙。全てAちゃんの勤めていた会社についての概要資料だ。
特にAちゃんが所属している部署について、詳しく調べ上げられている。いや、概要というには少し情報の濃度が高すぎるような気もするが。
まあ、今から始めることについてはお釣りが出るくらいの情報量だ。
「十分だ」
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けんまおし1016(プロフ) - とてもおもしろいです！少し文章の間を広くしてくれれば読みやすいと思います！ (2022年8月17日 19時) (
レス) @page3 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - コメント失礼致します！！読んでて凄くきゅんきゅんしました、！！！素敵な作品を本当にありがとうございます😭💕💕 (2022年8月14日 5時) (レス) @page21 id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
ノンレム睡眠 - 前々から気になってた作品で読んでみるとど好みストレートでびっくりしました🙃 これからも愛読させていただきます！神作ありがとうございます🙌❤ (2022年8月12日 18時) (レス) @page21 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ir | 作者ホームページ：http://manaaa
作成日時：2022年7月16日 22時
