《ちはやふる》世界は嘘で廻ってる (ページ15)

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Story15th　《イジメ》ページ15

「…………。」

この状況…

昔、経験したことのある嫌な思い出

また、ふりだしに戻った気分

私の机の上に花瓶

これは『イジメ』が始まる合図

「あ、夏恋ちゃん、おはよう」

「は？女優は私達、庶民なんかと話す必要ないでしょ？」

「っ…！」

やっぱり…

まただ…

神さま、私はこの思いを何度経験したら許してくれるんですか？

屋上だ

一人になろう

屋上なら『嘘』をつかなくて済む

「また…また…なんでなんだよっ…！私だって…好きでやってるんじゃないんだからっ！」

「お前、泣きたい時はここ来んの？」

「…何でお前はいつも…私の側にいるんだよ！会いたくないのに…いつも目の前にいる！」

須藤暁人は私の考えてる事を全部分かってるみたいで怖い

ﾌﾟﾙﾙﾙ

「…はい、先羽です……。」

［あ、A。今、監督から連絡入って一週間も撮影できないなら降りてもらうって…。］

「…なんだよそれ…監督に言っといて！そんなドラマなんてこっちから願い下げだ！あと、私、モデル辞める！こんな生活に耐えらんない！」

［え、A？］

「皆、気づいてくれないんだもん！アンタも…！初めにモデル辞めたのは親に捨てられたから！親が私のこと捨てたのもモデルが原因なの！

モデルが原因で…イジメにもあってたから！だから辞めた後も転校してきたのにっ…！学校にまで来て…これじゃ昔と変わんないよ！

私はモデル！女優じゃない！無理やり女優させられて今日学校に来たら案の定イジメにあって！金曜までニコニコしてた奴らにハブられて、私の人生めちゃくちゃなんだよ！」

［A…ごめんなさい。気づけなくて］

「そのごめんなさいも全部『嘘』のくせに。こんな『嘘』で廻ってる世界に私なんていらない…。もう二度と電話しないで！」

ガンッ！

あんな携帯いらない

携帯があったら常に電話がかかってくる

もう、いいんだよ