Story11th 《怪我》 ページ11
「今日も一日撮影よろしくお願いします。」
「お、Aちゃんヨロシクね！」
「監督！このまま土日だけじゃ撮影日数足りないんですけど…」
「ん〜でもなぁ……学生時代は…楽しんでもらわなきゃなぁ」
「私なら、もう、いいですよ。学校なんて別に」
「え、そう？」
「はい。早く撮影終わらせましょう？」
「そ、そうだね。じゃあ昨日の続き。階段降りてる途中に押されて落ちそうになるってやつで！本当に押さないでね！」
「よーいアクション！」
ドンッ！
え…!?
「き、きゃーー」
バタッ！
いっ……
「カットーー！Aちゃん大丈夫!?」
「いてて…左足捻ったかも…すみません」
「あわわ！ごめんAちゃん！本当ごめん!」
「うん、全然大丈夫だよ。こっちこそごめんね」
「今日の撮影はAちゃんのいない所撮っていこう！Aちゃんは病院ね！」
「はい、本当すみません。」
「大丈夫だよ。マネージャーさん連れて行って」
「はい、A、行こうか。」
「…うん」
ご飯食べてなかったから力落ちたのかな？
「あぁ〜捻挫だねぇ…まぁ、軽いし一週間で治りますよ！」
「そうですか、ありがとうございます。良かったわねA。」
「…うん」
また『嘘』をついた
別によくない
このまま左足が使えなくなったらいいと思った
左足が使えなくなったらドラマもしなくていい
学校も行かなくていいかもしれない
今は1人でいたい
誰にも会いたくない
一人ぼっちは嫌だけど一人ぼっちがいい
『嘘』だけど『嘘』じゃない
本当にこの世界は『嘘』で廻ってるんだ
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作者名：まなきゅん | 作成日時：2017年6月25日 16時
