アメリカ物語77〈女帝と帝王の盟約〉 ページ31
{貴方side}
貴方「一度、全部投げちまおうか。」
赤司「えっ･･･」
仰向けの状態で俺の事を見上げている赤司の表情は驚いていた。そんな赤司の顔を覗き込みながらも俺はゆっくりと微笑み返した。さっきのは、なんて面だ･･･あんな辛そうに笑うんじゃないよ。
"俺みたいにみんなをまとめる"･･･
そんなもの1ミリも望んでいなかったが、赤司はこれまでの教訓や周りからの期待によって、知らずと追い込まれてしまっていたのだろう。『キセキの世代』の才能の開花も要因ではあるが、一番の要因は･･･
修が早い段階で主将の座を明け渡してしまったことだ。
事情が事情だけに、やむを得ないことだったから修は悪くない。かといって、何でもやってこなせる赤司に全てを託してしまったのは間違いだった。
チームのことや親父のことで手一杯だった修に変わって、チーム内の細かいことを任された俺が気付いてあげるべきだったのだ。形だけでも別の人に主将を任せるか、性に合わないが俺がやるという手段もあった。
だけど･･･過ぎた時間を戻すことはできない。
過去は過去。振り返ることはできるが、それに時間を取られ過ぎないように前へ進まなければならない。今できることに精一杯取り組み、未来の自分へと託すんだ。悔いの残らないように。
貴方「お前は元から頑張り過ぎだったんだよ、赤司。むしろ普通の人だったら一瞬で投げ出すことをお前はずっと継続している。そんなのいつかは精神的におかしくなっちまうって分かってたはずだろ。」
赤司「･･･」
貴方「俺も母さんを亡くしてる。同じ境遇ではあったけど生活する環境が違った。それに、俺には口うるさい幼なじみがいたけどお前には"その生活は間違ってる"って言ってくれる幼なじみがいなかった。」
赤司「っ･･･」
貴方「赤司･･････俺がその"幼なじみ"になってやる。」
赤司「！！･･･白咲･･･さん･･･」
貴方(ｸｽｯ･･･)
嗚呼･･･まだこんなにも幼い･･･。
甘え方を知らない昔の自分のようだ。
お前の道のりは誰よりも険し過ぎた。
だから･･･
今度は緩やかな道のりを･･･
十分な休息を･･･。
.
.
.
貴方「"まだまだ未熟な帝王君"･･･俺と盟約を結ばないか？」
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だお(プロフ) - 明待霧夜さん» 7年･･･！！数字にすると思ってたより長くて驚きました(泣)！長期間更新停止していたのにも関わらずに読んだくださってとても嬉しいです！またちょくちょく更新頑張りますね･･･！ (2022年11月9日 22時) (
レス) id: 8108c641b1 (このIDを非表示/違反報告)
明待霧夜(プロフ) - だおさんお帰りなさい！ キセキ物語の終盤から連載を追い始め、かれこれ７年以上白咲ちゃんの物語を追っていることに気づきました…！ これからも応援させてください…！ (2022年11月8日 6時) (レス) @page23 id: 31d5edc1c2 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - あやかさん» コメントありがとうございます･･･！！戻ってきて初めてのコメントだったので感極まりました( ; ; )読んでくださってありがとうございます！ (2022年10月26日 17時) (レス) id: 8108c641b1 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - うぁぁぁ！！かっこよすぎますっ！！好き！！*°♡ (2022年10月26日 14時) (レス) @page21 id: 1bbfe76602 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だお
| 作成日時：2022年9月28日 23時
