緑の片割れは赤とニコイチ。【ヒロアカ】 (ページ14)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:209,497 hit

個性《14》　幼少期ページ14

.

2人を見たら自然と涙が溢れてきた。

なんで泣いてるんだろう？
叩かれた頬が痛かった？
追い出されたのが悲しかった？

いや、多分勝己や勝己のお母さんに安心したんだ。

『私、お母さんにぶたれたの。出久を守るのが役目でしょ、いつまでも幼い気でいるんじゃないよって。しかも追い出されちゃったし』

私が言い終わると勝己のお母さんはしゃがんで私に目線を合わせながらこう言った。

「そっか。辛かったね。とりあえず今は勝己。Aちゃんと一緒にいてくれる？」

爆豪「...おう」

その後勝己は私を連れて部屋に入った。
部屋に入ってから、しばらく沈黙の時間が続いたが勝己がその沈黙を破った。

爆豪「いつからだよ。そういうの」

『ぶたれたのは初めて。差別的なのは去年ぐらいからかな』

そう言い終わると急に勝己は立ち上がり、ドアを開け一言かけてから、下に降りていった。

爆豪「俺、氷もらってくる」

『あ、うん』

私ってなんでこの個性なんだろ。
1つだけでも十分ヒーローとしては通用する個性だ。

私が2つじゃなくて1つだったら。
どっちか1つをデクが持っていたら。

親からの差別はなかったのかもしれない。
こんな苦労は体験しなくてよかったかもしれない。

マジで神様恨む。
あぁ、でもこの後どうしようかな。
野宿ですかね。

すると、ドアがガチャリと開き勝己が中に入ってきた。

勝己はドアを閉めてタオル付きの保冷剤を私に渡してくれた。

爆豪「おらよ」

『ありがとう』

私は勝己から貰った氷を頬に当て考える。
まずは今日どこで寝るかだよね。

爆豪「そういえばよ。俺の母ちゃんが泊まってって良いってよ」

『ほんと！？助かったよ！ありがとう！』
＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿

夜__。

『勝己のお母さん！夜ご飯までありがとう！』

「いいのよ〜私も娘ができたみたいで嬉しいわ！」

勝己のお母さんのご飯はめっちゃおいしい。
最高じゃん。

「いっそ私達と一緒に住んでみない？」

『え？』

冗談かと思って勝己のお母さんを見たら真剣な顔だった。

『ほんとにいいの？』

「えぇ。あっちにいるよりいいでしょ？」

横の勝己を見るとこちらを見て微笑んでいることがわかった。これは良いって反応だな。

『よろしくお願いします』
「よろしくね」

なんだかんだあったが勝己の家に住まわせてもらうことに落ち着いた。