緑の片割れは赤とニコイチ。【ヒロアカ】 (ページ11)

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個性《11》　幼少期ページ11

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燈矢「ネックレスにはね。付ける宝石によって意味が違うんだ。意味は...そうだね。16歳の誕生日調べてみてよ」

『16歳？』

燈矢「そう。そのくらいの年齢になったら意味がわかるんじゃないかな？」

16歳になるまでわからないのは少し残念ではあるけど、16歳の誕生日の日に絶対見よう。

『わかった！肩身離さず持ってるよ』

燈矢「ありがとう。てか、肩身離さずなんてよく知ってたね」

『テレビで見たの！』

燈矢「あぁ、なるほど」

この時の燈矢くんはとっても面白かった。
普段はあまり見ない表情だった。

ぽやっとした表情でとても可愛く見えた。

燈矢「あとは、この手紙で最後かな」

そう言って取り出したのはシンプルな封筒。
宛名の部分には綺麗な字でAの名前が書かれていた。

『手紙？』

燈矢「うん。この手紙も16歳の誕生日。宝石の意味を調べる時にでも読んでよ」

『わかった！』

燈矢「それとね。いつこの公園に来れなくなるかわからないって言ったけどさ。もう来れないんじゃないかな」

『え、そんな』

燈矢「一生会えないわけじゃない。大丈夫さ。俺たちならまた会える。たとえ違う形でも」

そう言っていた時の燈矢くんの顔はどこか儚い気がした。

『ほんと？』

燈矢「うん。ほんと」

『じゃあ、約束ね！また会おうって約束』

燈矢「そうだね。約束」

私達は指切りをしてお互いに別れを告げた。

遊ぶ度に増えていた火傷後には触れないで。

そして、初恋が散らないことを信じて。

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小学1年生__。

風の噂で聞いた。
つい最近、燈矢くんが山火事になるほどの己の個性で亡くなったと。

聞いた時は友達もいたので涙は出てこなかった。
でも、家に帰り自分の部屋に入るとボロボロと涙は溢れてきた。

一晩中泣いてその日はそのまま寝てしまった。
次の日洗面所に行くと目は赤くなりパンパンに腫れていた。

燈矢くんが死んだのは夢だったんじゃないか。
そう思っていたのに違った。

鏡の前の自分が言っている。
もう燈矢くんはいないんだと。
嫌でもわかってしまった。

私は燈矢くんに何もできなかった。
何もできなかったから燈矢くんは死んじゃったんだ。

あの時。
あの火傷のことをちゃんと聞いていればよかったんだ。

ごめんね。燈矢くん。

私が今付けているネックレスと手紙は言わば形見のようなもの。

絶対に離さないで持っておくよ。燈矢くん。

そして私の初恋は呆気なく散ってしまった。