誰が為の【his view】5 ページ26
「ねぇ、カカシ……なんで私が嫌いなのにキスなんかしたの?」
後日、約束通りAに奢るべく二人で甘味屋に訪れ、そこで満足そうにお汁粉の餅を食べながら言ったAの言葉に思わず飲んでいた緑茶を吹き出しそうになるのを寸前で堪えた。
「なんでって……なんで?」
「いや、聞いてるの私だから!カカシは変だよね、今に始まった事じゃないけどさ。」
「……Aに言われたくないよ。」
「えぇ?私のどこが変?」
「全部。」
「即答?!酷いなっ!」
俺にとってAは紛れもなく変な存在だ
二人で並んで堂々と街中を歩くのも
男女の関係も無しに特に何をするでもなく茶を飲むのも
どうでもいい話で笑い合うのも
他の女とはしたことないし
したいとすら思わない
因みに自分からキスしたのも……Aだけ。
って……やめよ、これ以上考えたら何かが崩れる
そんな気がして緑茶と共に雑念を身体の奥底に飲み込んだ。
「カカシの事は同期だし仲間だし凄く大事に思ってるから、”キライ”って言われると悲しい。」
「……は?」
まてまてA、俺が色々考えてる間に
話はもうキスから離れて俺がAを嫌いかどうかに移ったわけ?
……相変わらずAの話に脈絡は無いな
なんて呆れ気味に考えている俺を余所にAは話を続ける。
「こないだ言われたんだよね紅に。カカシは私が好きで、私はカカシが好きだって。」
「なにそれ。」
「私もナイナイ!って否定したんだけど。」
「妥当だね。」
「うん。でも、それからちょっと考えてみたの。紅が言いたかったのって、恋愛とかじゃなくて仲間としてって意味だって!」
何故か自慢気にそう言ったAに、溜息を吐いたのは許して貰いたい
多分紅は、恋愛の意味で言ったに違いない
アスマが飲み屋で俺に絡んで来たのがいい証拠だ。
けど別にAのその勘違いを訂正しようとは思ってない
その方が俺達には都合が良いから
「それで?結局Aは何が言いたいわけ?」
「あ、うん!だからねカカシ、キライって言われるの嫌だから止めて欲しい。」
「分かった。」
「ほんと?良かったっ!」
屈託なく笑うAの笑顔が自分に向けられていて、それが奥に沈めた筈の雑念を呼び起こすから怪訝な顔になってしまう。
「……勘弁してよ。」
「え?なに?」
「何でもない。じゃ、俺行くね。Aはゆっくりしていきなよ。」
「え?ちょっと?!」
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時