すぐそばに君はいた −12−

599 海青side ページ49

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顔も知らない男にイライラしてると、


健さんこれって…って壱馬さんが健太さんに話しかけてた。




壱馬「ペアリング…っすよ？」


健太「いや、このピアスも俺があげたやつだし。」




何を見て話してるのかわからなくて、


壱馬さんのスマホを覗き込むと、



“ 姫の忘れもの ”


ってAがよく身につけてるアクセサリーが


写ってる写真だった。




慎「これの時も、“ 急いでてアクセ忘れた ”って
Aさんストーリー上げてたみたいっすよ。」


翔吾「こわっ…。」




もちろん誰々が持ってるからって


お揃いで買うファンはいるのは知ってる。




でも……それにしては揃いすぎてる。




「でも、その指輪…私のと若干違うんですよ。
健太さん、私浮気してないですよ？」


健太「わかってるから。」


「…。」




誰も浮気なんて疑ってないし、


浮気をするようなやつだとも思ってない。



問題はそこじゃない。






「…そんなことより、リハしません？
こんなの気にする必要ないですよ。」


LIKIYA「まぁ、事実じゃないし無害だからリハするか。」




みんながスマホで色々と見てる中、


LIKIYAさんがそう言ったから


気持ちをリハに切り替えよう…



海青「ちょっと待ってください！」


陣「どした？」


海青「これはやばい。」




どした？って近くのメンバーが俺のスマホを覗き込んだ。




海青「この空……EXFIGHTの階段のとこで撮ったやつやろ！
なんで、なんでこの男も同じやつ撮ってんねん！
ここに居ったのはAと俺だけなんすよ！！」


「……。」


彰吾「でも、空なんてどこでも撮れるから。」


海青「違うんすよ！ほらこの木！一緒なんすよ！」


彰吾「だとしても同じ場所から撮れば木も映るって。」


海青「そうかも知んないっすけど、
でも同じ場所で同じ雲の形って…有り得ます？」




2つの写真を比較しやすいように


翔平が男が投稿した写真を出してくれたから、


俺はAの投稿した写真を出した。




明らかに同じ日の同じ時間に撮ったであろう写真で、


みんなが言葉を失った。

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