すぐそばに君はいた −12−

568 陸side ページ18

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「ねぇおかしなところあったら言って？」


樹「ない。」


「ほんとに？」


樹「うん。強いて言えば顔。」


「…。」


樹「その不安そうな顔。お前らしくない。」


「…じゃあもういい。
撮影中に違うって指摘しても
変えないからなぁー！！」


樹「ふふっ。」





ねぇ韓流アイドル北人さん聞いてくださいよー


って北ちゃんのところへ行ってしまったA。




A曰く、今回の北ちゃんのメイクは


オルチャンらしい。知らんけど。




このメイクならアジアで


もっともハンサムな顔ランキング1位も目じゃない！


っていっちゃんの文句を言いに行ったはずなのに、


北ちゃんが美しいと騒いでるA。




昨日会えなかった分、


今日はボーカルと絡みたいのかな？





樹「今回ずっとあれなんすよ。」


陸「ん？」


樹「自分だけ取り残された感じがして不安だって。」


陸「…。」


樹「だから昨日みんな集まってもらったのに。」


陸「ふふっ。いっちゃんってAに優しいよね。」


樹「陸さんほとじゃないっす。」


陸「Aへの優しさは負けないよ？笑」


樹「ふふっ。」




側近は大変だね。



クイーンは側近の大変さ気付いてるのかな？




ほんと、この2人の関係性いいよなぁ。






少ししてスタジオに移動した。




事前に聞いていたセットよりも


曲に合ってる感じがする。




監督が今回はたくさん踊ってもらいます


って始まる時に言った通り、


何回も何回もパフォーマーのみんなは踊って、


あちぃって汗をかいていた。ただ1人を除いて。




なんでみんなと同じくらい踊っても


涼しい顔で居られるのか、不思議だわ。





全員でのシーンが終わって


次は個々のカット撮りが始まった。





Aの順になり、首を鎖で縛られたA。



誰しもが一瞬でも


あっち方面の連想するであろう姿…。




でもAは至って真面目で、


鎖で縛られてるのに、


いやらしさを感じさせることなくクールに踊ってて


曲の世界観にマッチしていて綺麗だった。




いっちゃんに見せた不安そう顔は嘘のように、


自信に満ちた顔だったからホッとした。

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