ピース〔１〕

26 涼太side ページ26

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涼太side



あの涙の1件以来、少しだけだけど


俺に心を開いてくれている…と思う。


可愛いのにあんなに壁作ってたら


寄りたくても男は寄れないよ。


ましてや藤井さんという存在がいるんだから。



少しずつでもいいから


俺に心開いてくれたら嬉しいな。



気になる。


あの子の外を見つめる横顔は


綺麗やけど切なくて…


その切ない表情に…俺は弱いわ。


.


萩花「ちょっと。」


涼太「ん？何？」



昼休み、藤井さんは1人。他の3人は…はて？



萩花「助けてって頼んだけど、
あげるとは言ってないからね。」


涼太「はい？笑」


萩花「だから、あの子は私のだから！」


涼太「ははっ。笑
藤井さんっておもろいなぁー。笑」


萩花「はぁ？」


涼太「いや。笑
藤井さんがおったら、
あの子幸せやなって思って。」


萩花「…。」


涼太「ん？」


萩花「あ、あげないけど…
本当にありがと。じゃ。」


涼太「ふっ…はははっ。はーい。笑」



わざわざそれを言いに来たんやろか。


私のだからって何やそれ？笑



でも、藤井さんが俺に言いに来るってことは、


Aちゃんが俺に心開いてるってこと？


何でやろ。楽しくなってきた。笑



あとは…特進のあの男か…。


もうAちゃんに関わらないでほしいけど、


そうはいかないだろうなぁー。だってあの人…。

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