すぐそばに君はいた −4−

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「はい。」


健太「あ、お風呂上がりにごめん。」


「いえ。どうしました？」


健太「これ。」


「えっ？」


健太「韓国で人気の日焼け止めらしい。」


「…。」





差し出された袋の中を見ると


スティックタイプの日焼け止めが入ってた。



健太「これから夏になるし、
Aにいいかなって思って。
キャストの人がそれおすすめって教えてくれて。」


「えっ？」


健太「良かったら使って。」


「…わざわざ買いに行ってくれたんですか？」


健太「ん。まぁ。」


「1人で？」


健太「瑠唯と。」


「あ、そうなんですか。
…ありがとうございます。」


健太「本当は車の中で
渡そうとしてたのに寝てたから。」


「…。」


健太「じゃ、お疲れ。おやすみ。」


「…おやすみ、なさい。」




パタンと玄関のドアが閉まったのに動けずにいた。




短い自由時間で…わざわざ買いに行ってくれたの？



「はぁ…。」





“ 日焼け止めありがとうございます
今年の夏はこれ使います！”





返信なんて来ない。



だってスマホを寝る前に見ないって言ってたから。




健太 “ うん ”




たった2文字なのに、返信が来たことが嬉しい。




聞きたいことは沢山ある。




何でわざわざ私のために


買いに行ってくれたんですか？



何でわざわざ私のために


キャストさんに聞いてくれたんですか？



何でわざわざ私のために


時間を費やしてくれたんですか？





何でわざわざ私のために……。






“ 冷たい態度とってすみませんでした ”


健太 “ あの時何話してたの？ ”


“ ご飯に誘われただけです
もちろん断りましたけど ”


健太 “ そうなんだ ”



「…。」



なんて返信したらいいんだろ？




だから気にしなくていいですよ。


いやいや、違うよね。




んー……



返信に悩んでると健太さんから続いてLINEが来た。





健太 “ 関係なくないから ”


健太 “ 好きな人がナンパされてたら嫌だから ”




「えっ。」



好きな人…。





その文字を見ただけで


胸がキューって締め付けられた。




好きな人…私の好きな人…




「はぁ…。」




メンバーを好きになるなんて…。




返信しないでスマホを置いた。




これ以上返信したら、


私も好きって言っちゃいそうだから。

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