すぐそばに君はいた −3−

108 樹side ページ8

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音楽番組に出演するために


リハでメンバーが集まることが多いこの時期。



今日も寒い中


事務所のスタジオにメンバーが集まった。




「おはようございまーす。」


陣「おは……えっ？」





いつも通りの明るい挨拶をして


スタジオに入ってきたA。




でもキャップを深々と被って


普段しないサングラスをかけていて、


みんな言葉を失った。






「ねぇ見てくださいよー。」


陣「えっ？どないしてん！」


樹「っ！」




見てくださいとサングラスを外したA。


目がパンパンに腫れていた。




「昨日久しぶりに私の中の消しゴム観て、
お兄ちゃんに電話したら涙止まらなくて、
朝起きたらこうなってました。笑」


陣「お前何してんねん。笑」







えへへ。やばくないですか？って笑ってるA。



目の腫れ以外はいつもと変わらない。



誰も気づいてないと思う。




Aの嘘に。





「見てやばくない？」


樹「この方が可愛いんじゃない？笑」


「はぁ？マジで本当はプリンスじゃないって
ファンにバラしてやりたい！！」


樹「ふふっ。笑」



私にもプリンス精神で接してよね！


って不貞腐れたAが、


スタジオに来た山彰さんの所に駆け寄って行った。




彰吾「はっ？おまっ…どした？」


「ホワイトコンビ似てきましたね。」


彰吾「お前今、軽く俺のことディスったよね？」


「あれー？笑」


彰吾「ホワイトコンビ解散っ！」


「やだー！！笑」




そこと何とかお許しくださいよーって


山彰さんにすがりついて、2人で笑ってた。




山彰さんにあんなことできるの多分Aぐらいだ。

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