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樹から電話がかかってきた。


出ない……そう思ったのに…


なかなか切れない着信音に


気持ちが負けて出てしまった。





鍵を返したいって。





あぁ…本当にこれで終わりなんだ。



唯一の繋がりのものを返されるから。





久しぶりに聞いた樹の声は


相変わらず優しくて落ち着く声だった。





鍵を返してもらうだけ。それだけ。



何回も自分に言い聞かせて


樹のマンションへ向かった。





エントランスで樹の部屋の番号を押した。



未だに忘れることない部屋の番号…。




樹の部屋に着いてインターフォンを鳴らすと、


ガチャっと開いたドア。




樹「いらっしゃい。」




「……うん。」





綺麗な顔が出迎えてくれた。



優しい目を見ることが出来なくて


下を向いて家の中へ入った。




樹「上がって。」


「ここでいい。鍵返してもらうだけだから。」


樹「…。」




玄関から上がらずにいると、マースが顔を出した。



私に向かってミャーって鳴いて


スリスリと身体を擦り付けてくるマース。




しゃがんで撫でてあげると、


もっと撫でてって擦り寄ってくる。




久しぶりに会ったのに覚えてくれてたんだね。



本当に可愛い子だなぁ…。




樹「話がしたいから、中に入って。」


「…。」


樹「お願い。」


「…。」




お願いと言った樹の目は真っ直ぐ私の目を見ていて


…負けてしまった。






相変わらず綺麗にしている樹の部屋。



ソファに座ってって言われて


渋々座るとすぐにマースが横に来た。




「ふふっ…。」




マースを撫でていると、


ソファを背もたれにして床に座った樹。




昔の私みたい。




樹「…。」


「…。」




居心地のいいはずの沈黙が…今は落ち着かない。



どうしたらいいか分からなくて


マースを撫でるしか無かった。

140→←138 樹side



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設定タグ:THERAMPAGE , 藤原樹   
作品ジャンル:恋愛
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Meg(プロフ) - あおさん» コメントありがとうございます!研修医やばいですよね笑 更新したので読んでください! (2021年1月18日 22時) (レス) id: 9ec0205a78 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - はじめまして。研修医、マジでヤバすぎましたね!!早くいっちゃんと元通りになりますように…。 (2021年1月17日 0時) (レス) id: fae82136af (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - なつきさん» 今はどん底ですね。悲しい!頼りになるお兄さん達がいるグループって最高ですよね!!これからの展開もぜひ読んでください! (2021年1月16日 23時) (レス) id: 9ec0205a78 (このIDを非表示/違反報告)
Meg(プロフ) - カッパさん» ありがとうございます!こちらの作品は自分のスマホのメモでは完結しているので、ドドーンと更新を出来るようにしてるんですが、更新できない日があってすみません。アホな研修医のお話更新しました。笑 (2021年1月16日 23時) (レス) id: 9ec0205a78 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 研修医め。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。今はいっちゃんも主人公ちゃんもドン底で辛いですね。陸さんやましょさん頼りになる兄貴達登場!!これからのいっちゃんの本気楽しみにしてます。 (2021年1月16日 22時) (レス) id: 27a1861531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Meg | 作成日時:2021年1月10日 19時

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