信じてもいいですか？ [３]

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研修医「ふーん。もしもーし。」


「ちょっと！」



私の携帯を耳に当てて、


もしもしと話し始めた研修医。




お願い。


樹…電話切って…。




研修医「こんばんは。
本当にあなたはAさんの友達ですか？」


「返してください！」




無理やり取ろうとしたけど、


かわされて届かなかった。




研修医「違うよね？君、藤原樹だよね？」



「っ！！」





血の気がサーっと引くのがわかった。




血の気が引いて気持ち悪い…。





研修医「俺知ってるんだよね。
Aさんのマンションに頻繁に行ってるの。」


「えっ！？」




私の目を見てニヤッと笑った研修医は


今まで仲良くしていた研修医とは別人にみえた。





研修医「さぁ、どうする？」


「違いますから。返してください。」


研修医「じゃあ俺と付き合お？」


「えっ…。」


研修医「はい。切れちゃった。」


「…。」




差し出された携帯を取ろうとしたら、


スっと引かれて取れなかった。



「…返して。お願いだから。」


研修医「俺と付き合うなら返すよ。」


「…無理です。」


研修医「じゃあバラしてもいいんだ。」


「なんの事ですか？」


研修医「Aさんが彼と付き合ってること。」


「…。」


研修医「ふふっ。そんな顔すんなって。」


「…。」


研修医「あんな知能もないような
クズのどこがいいの？」


「…何、言ってるか…分かりません。
いいから…携帯！返して。」




睨むと、



怖い顔しても全然怖くないからね？


って言いながら携帯を渡された。




研修医「まっ、少し考えてね。
世間にバラしたら、彼がどうなるか。ふっ。」


「…。」



肩にポンっと手を置いて


耳元でそう言っていなくなった研修医。




楽しそうな二次会のカラオケの音漏れが


今はとてつもなく虚しく感じる…。






最悪だ…。





樹に、なんてLINEしたらいいか分からなくて…



そのまま部屋に戻った。

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