［普通］って何？ −3−

113 北人side ページ13

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北人side



いきなり、

明日から新しい人が来るとおじさんに言われた。



まだ…そっとしておいてほしかった。




でも…きっとおじさんも何かしら考えて、

壱馬くんのためだろうし……。




あの部屋はAちゃんが

いつ戻ってきてもいいように

残しておいてほしかった。



戻ってこないことは分かってるけど……。




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翌朝、お世話になります。


って俺らに挨拶をした新しいルームシェアの人。



慎「よろしくお願いします。」


北人「よろしくね。」


壱馬「…よろしく…。」



現れた人はめちゃくちゃオシャレな背の高い、

俺から見てもカッコいい奴だった。


本当に俺と同い年？



おじさんに部屋を案内されて、

はい。って返事をしてる姿も好印象だ。



慎「今まで実家から学校に通ってたんですけど、
2時間かかるんですよ。結構遠くて。
んで、おじさんから親に声がかかったので。
よろしくお願いします。」


北人「俺らタメだから。」


慎「マジっすか？」


北人「うん。壱馬くんは一個上。」


慎「壱馬さん！！よろしくお願いします！」


壱馬「よろしく…。」




最初は距離ある感じがしたけど、

仲良くなるのに時間はかからなかった。


残り少ない夏休み期間中に、

壱馬くんは慎と意気投合した。



Aちゃんと仲良くなるのには

あんなに時間がかかったのに……。



やっぱり同性ってでかいんだろうな。




もちろん俺も慎と仲良くなった。



3人で遊んだりすることもあって楽しい。




慎が来てからも楽しい時間を過ごせて嬉しい。


でも…Aちゃんの存在は

俺にとっても大きかったなぁー

なんて思ったりもする。




壱馬くんはどう思ってるんだろう…。


Aちゃんと3人で過ごした数ヶ月も

宝物のような時間だったと…

壱馬くんも思っててくれたらいいんだけど。



この家を出て行ってからも、

俺はたまーにAちゃんにLINEを送った。



忙しいみたいでなかなか返信が来ないけど。


硬っ苦しい返信結構好きなんだけどなぁ。




壱馬くんとはLINE、全くしていないみたいだし…。



あぁ。俺好きなんだけどな。



あの2人が並んでる姿。





もう見れないのかな…。

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