鬼邪高校に平和が！？【4】

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コンコンっと壁をノックして放送室を覗くと、

開きっぱなしの本を抱えたまま

目を閉じている轟くんがいた。



「おはよ。」


轟「……。」



声をかけても目を開けることも無く…



「寝てるの？」



顔を近づけたけど、ピクリとも動かなかった。



「ふふん。轟くん。笑」


耳元で名前を囁いた。


でも反応ひとつ無い。



「おいー。轟洋介！起きろー。笑」



ほっぺを突っついたけど、それにも反応がなかった。


本当に寝ちゃってるんだ。


寝顔可愛いなぁー。ふふっ。



「おい洋介っ！起きてよー！洋介くーん。私の大好きな洋介くーん。洋くーん。おーい。ふふっ。」



全然起きない…。



「よーすけくん。ふふっ。」


轟「ホントよく喋るなぁ。」


「っひぃ！！」



パチッと開いた目がゆっくりこっちを向いた。



「い、いつから起きてたの？！」



えっ？寝てなかったの？


寝てると思ってたのに！！



轟「お前が壁を叩くところから。」


「っ！！初めからじゃん！！狸寝入りは良くないよ！！」


轟「ふっ。誰も寝てるとは言ってないだろ。」


「ず、ずるい！騙したなぁー！轟くんっ！！」



恥ずかしくて

顔が赤くなっているのが自分でもわかる。


聞いていたなんて…。




轟「洋介でいい。」


「……へっ？」


轟「呼び方。洋介でいい。」


「っ！！うんっ！！」


轟「ふっ。笑」





清史「おうおう！イチャついてるところ申し訳ねぇーんだけどよぉー。」


轟「……。」

「っ！！」


清史「お前らの声、全部聞こえてっから！！笑」


轟･A「「っ！！」」


清史「ふっ。ごちそうさまでした。じゃあな！洋介っ！！ふははははっ！！」



そう言ってニヤニヤしながら

放送室のマイクをオフにして出て行った清史。



轟･A「「……。」」



出ていく清史に何も言い返せず

ただただ固まってしまった私たち。




……恥ずかしすぎる…。



今の話が校内に流れていたなんて。



しばらくの間、

会う人、会う人がニヤッと笑って私を見てきた。


楓士雄も司も…定時のお兄さんたちも。



でも………



「てめぇら…そろそろいい加減にしろよ？」



私のその一言で……笑ってくる人は居なくなった。



鬼邪高に平和が訪れるのは


まだまだ先の話になりそうだ。







─── おしまい ───

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