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吸血鬼と人間 ページ9

放課後、私は言われた通り生徒会室を訪れていた。少し重い扉を開けると、よく来たな〜と机いっぱいにお菓子を広げて窓を背に座る先輩が。その前には来客用であろう、少し高級感のあるソファに私より先に来ていたミンハオ君も座っていた。

「昨日は大丈夫だったか?あ、ここのお菓子取っていいから」

ありがとうございます、とお菓子を1つ手にとってミンハオ君の向かいのソファに座る。昨日の、というか最近の吸血鬼が起こしている事件について2人は事情を知っているようだから、今から詳細を話してもらおう。

目の前に座るミンハオ君をちらりと見ると、何やら熱心に資料を読んでいるようだった。


「えーと、まずは何から説明するべきかな」


先輩が呟くと、ミンハオ君は先輩の話を聞くためか、手に持っていた資料を伏せて机に置いた。

「Aは『吸血鬼優生思想』って聞いたことあるか?」
「え?いや…」
「簡単に言えば人間との共存反対派のことだ。そして、この思想を掲げている中心は純血の吸血鬼たち」


先輩によれば、その反対派が純血の吸血鬼を中心に組織を作って、最近似たような事件を起こしているらしい。そして、最終的になにかしようとしているのだとか。


「まぁ目的は、吸血鬼による人間支配の復活だろうね」


現在、吸血鬼が人間の血を飲むことは停戦協定によって禁止されている。このことも含め、共存と言っても人間ファーストの社会になっていることに不満を持つ吸血鬼は多いのだと。そのため吸血鬼が実権を握り、人間の血を自由に扱おうとしているのでは?と予想しているらしい。

そんなことになったらと恐ろしくて寒気がした。少なくとも人間は、今の平穏な生活は続けられなくなるだろう。


「特に純血の吸血鬼は人間の血を飲みたがるし、人間のことをエサか何かだとしか思ってないようなやつもいる」


だからこういう過激な思想に走りやすいんだよね。とミンハオ君は不快そうに顔を歪めた。

純血の吸血鬼が人間の血に拘ると言うのもよく聞く話ではあった。どの動物の血よりも美味しいから…らしいけど。


「なるほど…それで、2人は調査を?」
「あぁ、共存関係を守ることはこの学校の設立理由でもあるしな」

生徒会長としても名誉ある任務だ、とスンチョル先輩は少し誇らしげに手を腰に当てた。

しかし、今まで話を聞いてきてふと疑問が湧く。確かミンハオ君は純血だと言っていた。それなのに、どうして私達に協力してくれているんだろう。

君の夢は誰の夢→←はじめまして



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作者名:ゆきこ | 作成日時:2025年8月26日 1時

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