いつもと違う朝 ページ7
「行ってきま」
「A!!!!」
「うぐっ」
次の日。学校に行くため家を出ようとすると、途中まで開けたドアを突然誰かが掴んで強引にこじ開けた。そして、体を支えていた腕が引っ張られてバランスを崩しそうになる。反対側からドアを開けた人物によって抱きとめられ転ぶことは無かったけど。
「無事だったか!?」
「A〜!!」
「ミンギュにソクミナか、離してぐるしい…」
私を正面から抱きしめるのはミンギュで、その上から覆い被さるように抱きしめるのが同じく私の友人、ソクミンだ。ミンギュはでかい図体で弱々しい声色だし、ソクミナは朝とは思えない声量を耳元でぶつけてくる。
「昨日吸血鬼に襲われたって聞いてから居ても立ってもいられなくて」
来ちゃった。と眉を下げながら言うミンギュ。
「心配してくれてありがとう…でも誰から聞いたの?」
「ミョンホだよ」
ソクミナがそう言うと私に回した腕をほどいて、そっと横に捌ける。すると、私達の少し後ろでミンハオ君がじっと立っていた。
「おはよう、Aさん」
「ミンハオ君!」
今まで知らなかったことだが、この3人は毎日一緒に登校しているらしい。ミンハオ君があまり周りと絡んでいるイメージが無かったから、2人から仲良しだと聞いたときはびっくりしたけど、それは本当だったみたいだ。
そして昨日は結局、詳しいことは明日説明すると言われてスンチョル先輩に家まで送ってもらったので、ミンハオ君があの後どうなったのかは知らないままだった。
「昨日はありがとう!それで、私が帰った後は大丈夫だったの?」
「大丈夫だよ」
結局あいつには逃げられたままだけど、とミンハオ君は少し悔しそうに呟いた。
「なあミョンホヤ、お前まだ危ないことしてるの?」
「…やらなきゃいけないことから」
「はぁ〜全く、気をつけなよ」
何してるか聞いても教えてくれないし、と文句を言いつつミンギュはミンハオ君の頭をわしゃわしゃと撫でる。するとソクミナもじゃあ俺も〜と言ってミンギュと同じように撫で始めた。
ミンハオ君は「分かったから」と、迷惑そうな顔をして左右に頭を振り、2人の手を払い除けた。ミンハオ君、いつもこんな感じで2人に構われてるんだな。
「Aもね!」
「えっ!うん」
ミンハオ君に構えなくなって矛先が私に向くと、2人は同じように大きな手で私の頭を撫でた。セットした髪が崩れるのにと思いつつ、2人の体温が伝わって少し安心してしまった。
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作者名:ゆきこ | 作成日時:2025年8月26日 1時


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