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不審な生徒 ページ22

「貧血ね。授業終わるまで安静にしてなさい」
「はい…」


さっきまで体育館にいたはずの私は、白いベットに寝かされていた。バレーでボールを追って上を向いた瞬間ぶっ倒れたからだ。

保健室のお世話になるなんていつぶりだろ。


「先生、ちょっと席外すから。すぐ戻ってくるね」
「分かりました」


そう言うと、私のベットの周りを囲うカーテンを閉めた。やってしまったな…と思って暫く天井の模様を見つめていると、また視界が揺れた気がして、目を瞑る。


(とりあえず寝よ…)


布団に包まり直して寝る体勢をとる。そうしてうとうとしていると、保健室の引き戸が開く音がした。先生が帰ってきたんだなと思っていたが、どうやら違う。



「この時間、先生いないから」
「なんでそんな事知ってんの?不良じゃん」



笑いながら保健室に入ってきたのは恐らく男女の生徒2人組。怪我や病気で来た訳では無さそうな雰囲気だった。


「これ、例の」
「ありがと。これだけあればいい金になる」
「ほんと?じゃあどっか旅行行こうよ」



私がいることに気づいてないようなので、カーテンを閉めたまま聞き耳を立てる。女の子が男の子に何かを渡したようだ。
 


「そういえばあの人が俺たちをパーティーに誘ってくれてさ」
「え!行きたい行きたい!」
「沢山血をくれたお礼にって。アユンのお陰だな」
「えへへ〜痛くても頑張った甲斐あったぁ」


(血って…)


不穏な単語が聞こえてきて、固唾を飲む。これは話を聞いておかないと思わず前のめりになった時、ベットのスプリングがギシ、と音を立てた。



(やば、)



それと同時に、楽しそうな話し声が一瞬で静まった。



「ねぇ、カーテン閉まってる」
「…まさか」



ベットの方に近づく足音がすると、乱暴にカーテンが開いた。私を見つけた男の子はあからさまにしまった、という顔をする。



「…聞いてたな」
「きっ、聞いてないです」
「嘘つけ!」
「どうすんの?!」



この慌てようをみると、さっきの会話はやはり後ろめたいことなんだろう。これが本当に吸血鬼案件なら、ミンハオ君達が追ってる事件にも関係あるかもしれない。


ふと、男の子が片手に持っているパウチが目に入った。多分、さっき手渡していたものだ。外側は白一色で、中身は見えない。だけど私はこれに見覚えがあった。


吸血鬼の生徒が飲んでいる、血液パックだ。普通は動物の血が入っているらしいけど、多分これは…

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作者名:ゆきこ | 作成日時:2025年8月26日 1時

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