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きっと叶うから ページ13

「何か顔に付いてる?」
「いやっ!、ついてないよ」


ぐるぐると考えを巡らせていたらミンハオ君を凝視したままだった。不意に目線が合って、反射的に目を逸らす。

よし聞こう!と思ったさっきまでの勢いは削がれてしまったけど、やっぱり気になるよね。


「あのさ、ミンハオ君」
「うん?」
「ミンハオ君が前言ってた『夢』の話、ちょっと気になってさ。もし良かったら聞かせてほしいな、なんて」


無理だったら全然大丈夫なんだけど、と付け足した。

ちらりと様子を伺うと、先ほどまでの笑顔は消えて、神妙な顔つきになっていた。やっぱり聞くべきじゃなかったか。


「ごめん、ずかずか聞いて。忘れてほしい」
「別にいいよ」

ミンハオ君は長くて窮屈そうな足を、きゅっと引き寄せて話し出してくれた。


「僕は人間の女の子と知り合って仲良くなったんだ。その子の夢が『人間と吸血鬼が仲良くする』ことだったから、僕が叶えるねって約束した…んだと思う」
「思う?」
「うん。原因は分からないんだけど、記憶が曖昧になってる時期があってさ」
「えっ」

それは初耳だった。

「いつのことか確実じゃないけど、きっと停戦協定が結ばれる前のことだと思う」
「そうなんだ…」


その約束を叶える為に、今は純血の吸血鬼達の悪さに首を突っ込んでる、と。

「でも変だよね。その子の名前や顔、どうやって仲良くなったのかも思い出せないのに、そんな約束を守ろうとしてるなんて」

ミンハオ君は自嘲気味に呟いて、胸に手を添えた。


「だけど、絶対に叶えたいって思うんだ」


先ほどまでとは打って変わって、強い意志を持った瞳で正面をまっすぐ見つめていた。その横顔は、あまりにも美しい。


「変じゃないよ。ミンハオ君はその子のこと、きっと大好きだったんだよ」
「…そうかもね」

記憶がない原因、その子と関係。色々気になるけど、とにかく今はミンハオ君の力になりたいと思った。


「私も叶えたい!2人の夢!だからこれからも協力するよ!」


約束ね、と小指を差し出してみた。びっくりした顔のミンハオ君は、意図を察したのか、ふっと笑って小指を私のに絡める。

「ありがとう、Aさん」


きゅっと私達の指が結ばれたその瞬間、頭に何か見たことない光景が流れてくる。


《吸血鬼も人間もみんな仲良くできたらいいのになぁ。私達みたいに》
《そうだね。Aの夢は、僕が必ず叶えるよ》
《ほんと?約束ね!》

(あれ、今の…)

頭に流れてきた声は私のもの?

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作者名:ゆきこ | 作成日時:2025年8月26日 1時

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