放課後レッスン ページ12
「ミンギュが前に踏み出したら、Aさんが一歩後ろに下がる」
「そしたら体をひねって反対の足を寄せる」
「一回転して横にスライド、ミンギュはAさんの腕を引いて」
「え?スライドってこう?」
「ヤー、ミナ!真横にいたらぶつかるだろ!」
「ミンギュ引っ張りすぎ!倒れる!」
「……」
放課後、空き教室を使ってミンハオ君は本当にダンスを教えてくれていた。
私とミンギュがペアになり、そのそばでソクミナが私達の動きを真似している。しかしレッスンは結構スパルタで、私達は彼の言葉を都度理解するだけで精一杯だった。
そんな覚えの悪い私達を見て、少し離れて立っていたミンハオ君は腕を組みながら深いため息をつく。
「ねぇ」
いつもは可愛らしいミンハオ君の声が少し低く響く。威圧感を感じてビクッとした私達は、慌てて「ふざけてる訳じゃから!!」と弁明する。が、
「…下手くそ」
やっぱり容赦なかった。
ーー
「結構難しいんだね?」
「まぁ学校行事だし、楽しめればいいと思うけど」
あいつらの変なスイッチ押しちゃったかな、と呟くミンハオ君。その目線の先には、教えてもらったことを復習しながら踊るミンギュとソクミナ。
私がもうギブだと言うと、2人で踊り出したのだ。
近くにいると邪魔になりそうなので、私は黒板の下、少し埃っぽくなった教壇に座るミンハオ君の横に腰を下ろした。
「気にしなくて大丈夫、あの2人すごく楽しそうだよ」
時々足踏まれて怒ったり、呼吸が合わなくて倒れそうになって叫んだりしてるけど、2人とも大爆笑しながらくるくるとステップを踏んでいる。
あんなに笑いながら踊っていても息一つ上がっていないのは、流石ダンス部だ。
「ふ、そうだね」
…ミンハオ君は、クールに見えて意外と感情豊かだと思う。私の横にいる彼は、騒ぐ2人にふわりと笑顔を向けていた。
(ミンハオ君は、きっとミンギュとソクミナのこと大切に思ってるんだね)
そんな表情を見ていてふと、昨日のミンハオ君の悲しそうな顔が浮かんだ。
《『人間と吸血鬼の共存』…その夢を叶えるって約束したんだ》
その約束をした人も、今みたいに笑いかけられる大切な人だったんだろう。あの時は聞けなかったけど、どんな人だったのかなとやっぱり気になった。
ミンハオ君のこと、もっとちゃんと知りたい。
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作者名:ゆきこ | 作成日時:2025年8月26日 1時


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