気になる転校生 ページ1
夕日が差し込み、あかね色に染まる教室。放課後誰もいないこの場所で友人を待っていた私は、窓の外でとある人物を見つけた。
(あれ、ジュン先輩だ…)
彼は中国からの転校生、ムン・ジュンフィ先輩。数日前にこの学校に来るや否や、その圧倒的美貌で周りの女子たちをすっかり虜にしてしまった何かと話題の人物だ。目を凝らしてみると、窓の向こうの中庭で先輩を中心に大勢の女の子たちが集まって何かしている様子だった。思うに、SNSのアカウントを聞いているか、遊びの約束を取り付けようとしているか。大体そんなところだろう。
「にしても凄い数」
この教室は2階だから、先輩や周りの女の子たちの細かな表情までは見えないけど、きゃあきゃあと黄色い歓声がここまで届いているし、通りすがりの生徒も何事かと歩みを止めていて、少し騒ぎのようになっていた。
「…気になるの?」
「え"っ!、」
突然、自分一人だけだと思っていた教室で声を掛けられてビクッと身体が揺れた。声を掛けた張本人は、同じクラスのミンハオ君だった。彼もジュン先輩と同じ中国出身で、先輩と同様女子にモテにモテまくっているイケメンの一人である。
それにしても、ミンハオ君はいつから教室にいたんだろう。声を掛けられるまで全く気付かなかった。
「う、うん…ほんとに凄いよね、転校してきたばっかりでみんな慣れてないってのもあるんだろうけど」
「ふぅん、」
聞いてきた割に、どうでもよさそうな反応をされて拍子抜けする。ミンハオ君は窓辺の方に移動すると、私が見ていたジュン先輩と周りの女の子たちをじっと見つめた。何を考えているのかは読み取れなかったが、このまま会話が無いのも気まずい。
「…えと、ミンハオ君は忘れ物?私しかいないと思ってたからびっくりしちゃった」
「うんん。Aさん、君にミンギュからの伝言を伝えに来たんだ」
「え?」
ミンギュ…は今まさに私がここで待っていた友人だ。
「ミンギュが?なんて?」
「『今日部活の自主練に行かないといけなくなったから先に帰ってて』、だってさ」
「えっ」
私ずっとこの教室で待ってたのに!…まあ、ミンギュの部活は強豪で、先輩たちも厳しいって言ってたからこういうことも何回かあったけど。ミンギュがAごめん〜、と謝る姿が目に浮かぶ。
「ミンハオ君ありがとう〜全くミンギュは、早めに言ってくれればいいのにね」
「いや、ミンギュはメッセージ送ってるよ」
「うそ?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 201人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆきこ | 作成日時:2025年8月26日 1時


お気に入り作者に追加


