六話 ページ7
「…寒いぃぃ…神楽ちゃんはあったかそうだねぇ」
「寒さは女の敵アル!ほら、Aにもカイロやるヨ」
「いいの?わ、あったかい!」
「…いいもん持ってんな」
ひょい、と神楽ちゃんの後ろから顔を覗かせる土方くんに驚く。こうやって女の子の話に入って来たりもするんだという失礼な驚きで。
「トシにはやんねーゾ!お前は男なんだから寒さには強いダロ」
「…んだよそれ。まぁ女よりはな」
「ちょっとだけ貸そうか?土方くん」
朝練の後だったのか、鼻の頭が少しだけ赤い土方くんにそんなことを言ってみる。ちょっとでもあっためられればいいけどな。
「…いいのか?んじゃあ、少しだけ」
カイロを持っていた私の手をヒョイ、と掴む土方くんに?を浮かべているとなんと、その手を土方くんは頬に当てたのだ。
「…ぇ、あ、え?」
「あー…あったけぇな、お前の手」
「そ、そそそうかな?あ、カイロ持ってたもんね!あったかいのなら良かった!!」
顔が真っ赤になるのを感じる。うう、心なしかみんなの視線がこっちに向いてる様な!?というか、神楽ちゃん!助けてこの状況!
「…ぁ、ひ、土方くんの頬は冷たいね」
「悪りぃな、そろそろ離すか」
「ひ、土方くんが私であったまるんなら、全然大丈夫だよ」
「……おう」
何故か土方くんも照れた。…だからなんでみんな見てるの!?
「…朝からうぜぇもん見せんじゃねぇや。…土方ァ今すぐその手離しやがれィ」
「…あ?テメェには関係ねぇだろ?…んだよ、羨ましいのかよ」
「…っ、誰がですかィ」
「お前には出来ねぇもんなぁ。Aに嫌われてっし」
「…お、れ、が!嫌いなんでィ!テメェ土方、殺されてぇのかよ!」
牙を剥いて怒る沖田くんと挑発するような土方くんにあわあわする。こんな朝から喧嘩はやだよ!?
「…も、もうやめなよ…!土方くんもそろそろ離して…!沖田くんも分かってるから落ち着いて!」
「…!、悪ぃ」
「…もう、土方くんらしくないよ」
こつん、と掴まれていた手で土方くんの頭を優しく叩くと土方くんも落ち着いたらしく、叩くな、と笑って私の手をまた掴んだ。
「…だからイチャイチャすんじゃねぇや!!テメェ土方ァ!ホントにぶっ殺す!!」
「ひっ、ガチギレ!?」
山崎くんや新八くんが沖田くんを抑えるのを見て、神楽ちゃんが「男の嫉妬ほど醜いもんはないネ」と呟いた。
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光華(プロフ) - お疲れごはん、リアルタイムで楽しく読ませていただいてます!こちらも面白いです!私は完全に土方さん推しなので、土方さんに落ちないかな((殴 どちらも更新楽しみにしてます! (2020年6月6日 22時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マピト | 作成日時:2019年12月6日 22時