☆*:.｡. お月様が渡る.｡.:*☆ (ページ4)

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天高く2-3 ページ4

「マイコ、太輔さんの名札見た？」

「もちろん」

「名前の辺りに何かかいてあったの気づいた？」

「そんなのあったっけ」

「あったの、アメーバみたいな…」

　気になってずっとそれを見てた。
　アメーバか、ペンキこぼしたみたいなやつ。

「何かのマークじゃない？」

　マイコは興味なさそうだけど、なんだか気になる。

「それよりさ、店員さん見て。やっぱここのカフェすごいわ！」

　マイコに促されて忙しなく働いている店員さんたちを見た。

　海賊の太輔さんと赤ずきんちゃんの他に、神父とバンパイヤがテーブルを行き来している。ドリンクのカウンターにいるのは、スーパーマリオだ。

「店員さんの仮装すごいね。見てるだけで楽しいし、みんなイケメンすぎ」

「でしょ？クオリティたかしだよ！
　でもまだ見てない人がいるんだよね…」

　マイコは双眼鏡でも覗いてるくらいの勢いで店員さんを見てる。

「そういえば、予約した時に怪盗キッドがいるとか言ってたっけ」

「そうそう。
　キッド様は伝説の人でさ、なかなか会えないって噂なの」

　それとさ、とマイコは私の方に身を乗り出した。

「さっき案内してくれた赤ずきん。海賊の太輔さんとのツーショットが…」

「お待たせしました」

　食欲をそそる香ばしいかおりが鼻をくすぐる。
　お料理を運んできたのはアラジンのお兄さん。
　乗り出していたマイコが体を戻した。

　アラジン、吐息が出そうなくらいかっこいい…

　食欲に勝てそう、なんてアラジンを眺めてたら、タイムリーにお腹がぐぅ。

　このタイミングで鳴るかなー。

「僕もさっきからぐぅぐぅ鳴りっぱなしです。
　お互いお腹ぺこぺこりんですね。
　お待たせしてすみません。」

　アラジンと2人、フフフと笑う。
　アラジンにほっこりしすぎて恥ずかしさはどこかへ飛んで行ってしまった。

　その時、アラジンの後ろから赤ずきんが

「アラジン、次写真」

　そっと声をかける。
　
　アラジンがアイコンタクトだけで応えると、赤ずきんは去って行った。