【QK】トライアングル【fkr.kwmr】

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「「ぶんぶんぶぶぶん」」

「長さ」

「「ぶんぶん」」

「１ｍ」

「「ぶんぶん」」

「抵抗」

「「ぶんぶん」」

「２オーム」





てっきり悪魔・河村は最初から半端ない豪速球を投げてくるのだと思って身構えてたけど、どうやら悪魔でも気は遣えるらしい。
長さやら面積やら熱量やら中学生レベルの単位を言ってくれるので私でさえ澄まし顔が出来る。…と、思っていた矢先。ゲームの難易度が爆上がりしたのは５回くらいやり取りをした後だった。





「「ぶんぶん」」

「角速度」

「え？」





SI基本単位じゃないじゃん。それは組立の方じゃん。「簡単だったね〜」で終わりにすればいい話だったのに此奴は急に豪速球をぶん投げて来た。





「ほら、ぶんぶん」

「あ、え、３ラジアン毎秒」

「ぶんぶん」





必死に絞り出して答えた私を褒めて欲しい。
脳内の整理が追いつかなくてあたふたしている私の横で涼しい顔をして１人で勝手にゲームを進めている。





「うぇ、っと…体積」

「ぶんぶん、４立方メートル。ぶんぶん、比熱」

「無理！降参！」





私が出す単位と河村の出す単位の難易度の違いさに画面外の伊沢と福良も苦笑い。最早哀れんでるまである。これ以上続けるのは頭がパンクして仕事に影響が出かねないので仕方なく降参すると、河村はジト目で此方を見てきた。





「Aならもっと行けたなぁ」

「だっていきなり豪速球投げてくるじゃん…」

「じゃないとゲームにならないでしょ」





ごもっともだった。私が無理矢理付き合わされたことを除くと。別に私は数取団がしたくてしてる訳じゃないし、手加減してくれると言ったから付き合っている。当たり前のように「いやぁ…」とジト目で見てくる河村が間違ってると思わないか？





「はい。ということで理系の人は文系の人を理系数取団に誘わないようにしましょう。
Aが可哀想だと思った人はコメント欄に書いてください。それではさよなら」

「さ、さよなら…？」





気づいたけど、此奴はこうなる未来を予測して、私をあたふたさせたくて誘っていた。ドＳチックに頬笑みを浮かべる河村の表情が物語っている。結果的に私は物凄い被害を受けた訳だけど私が可哀想だと全人類が思うはずだからコメント欄が賑わうならそれでいい。
…まぁ、いつものことだし。





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