○. ページ49
A「戦わないよ？」
吉「攻撃しなくていいから、受けてくれれば」
A「いやいやなに言っとん」
吉「はい、木刀」
A「人の話を聞け、Ｂ型ぁ！！」
もーほんっっっとに人の話を聞かんなこいつは！！
言い出したら聞かない、典型的なＢ型なので…しゃーないから付き合うか…カメラはスタンドにセットして、２人に合わせといて…
吉「はい、やるよー。えっと、こうきてこうやってこう行く。そのあとは成り行きで」
A「いや、しっかり決めてよ殺陣師さん」
吉「えぇー、いる？」
A「いるわ、死なす気か」
吉「えぇー…じゃあ…」
ゆっくり流れを教えてくれる。が、この通りにやるかわからんのがこいつの怖いところなんだよもー！信用してるけど！怖いんだ！
吉「はい、じゃあいくよー、ほんばーん」
A「ちょいまち、舘さん、めめくん、練習して？」
気づけばこちらにスマホを向けるふたり。いや、練習しろや、30分しかないねんぞ。
宮「見るのも稽古」
目「それです」
吉「やるよー」
A「あーもう！」
しゃーなし！やります！
A「こい！由紀乃！」
吉「いっきまーす」
.
(宮舘side)
念願の殺陣指導。
正直今まで俺達がやってきた殺陣は、歌舞伎とか、あと滝沢歌舞伎もだし、目黒の映画も、どちらかといえば「華やかに見せる」ものだった。
だけど今回教えて貰っているのはもっと我武者羅な…よりリアルに近いというか、生死をかけたような、「戦」。
初めての事ばかりで、一言で言って、すごい。
そして。
今、目の前で繰り広げられている「戦い」。
姫は殺陣ができないから、吉川さんの攻撃を受けているだけなのだが…型は教えて貰っているけどタイミングなんかは初見だから反射神経で受けている。
そのスピード感や、ギリギリ感が、ものすごくリアルで。
見ているだけで、勉強になる。木刀だから重さもあるし…すごい。
目「すごいっすね…」
目黒から、思わず声が漏れる。
それほどまでに、すごい。迫力が違う。
宮「これは…この動画は、保存だな」
目「ですね。勉強になるわ」
宮「だね」
これを見れただけでも、今日来てよかったのかも。
.
吉「はい、おわりー」
最後は袈裟切りで終わった。
宮「姫、タオル」
A「あ、ありがとうございますー！てか２人、練習！」
目「あ、うん」
吉「ねぇAー」
えっ…息切れ、してない。
…すごい…
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作者名：まめ
| 作成日時：2023年2月2日 6時
