スノのマネージャーはミニサイズ！そのご！ (ページ21)

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渡辺side ページ21

謝らなきゃ。
そうは思うけど、なんつーか…謝り方がわからない。
思えば楠と俺は、なんだかんだずっとギャーギャー言い合う関係で。なんかこう…素直に腹割って話すような感じじゃない。

…けど…そういえばこいつ、今日ずっと謝ってたな…
すみません、じゃなくて、ごめんなさい、って

なんだよ…最初からおかしかったんじゃん。
気づくきっかけ、めちゃめちゃあったんじゃん。

くっそ…どーすりゃいいんだよ…

とりあえずもう一度、スマホをタップ。かけた先は…

佐「おっちー！佐久間です！翔太どしたー？」

困ったときのさっくん。

渡「あの…さっくん…」

佐「おぉおぉどうした、元気ないじゃん！」

渡「さっくん…相談があって」

佐「おっ！いいよ！いまもうホテルだからゆっくりできるよ！」

渡「あ、そうか、今日ロケか…ごめん…」

佐「なに！？どしたのマジで」

渡「あの…謝り方がわかんなくて…」

佐「謝り方？今みたいに、ごめんなさい、でいいじゃん」

渡「それが…相手が楠で…」

佐「え？ごめんなさいでいいじゃん」

渡「コトがコトで…」

一通り説明すると、静かになる電話口。

佐「翔太、それはお前が悪い」

…聞こえてきたのは、普段のさっくんとは似ても似つかない静かな声。これはさっくんが、本気で怒ってるときの声だ…

渡「…わかってる」

佐「とりあえず俺は、すーげぇAちゃんが心配なんだけど、それは大丈夫なのね？」

渡「ん。脱水と貧血だから、水分とれば…病気じゃないし…」

佐「その、病気だから病気じゃないからっていうのがそもそも間違ってんだけど、まぁそれは置いといて」

渡「ごめん…」

佐「とりあえず、素直にごめんなさいしなきゃだめ」

渡「…うん」

佐「Aちゃんは今たぶん精神的にも不安定になってるから、ちゃんと話を聞いてあげて」

渡「…うん」

佐「んで、Aちゃんは悪くないよって言ってあげるんだよ」

渡「…わかった」

佐「ちゃんとごめんなさい、しな」

渡「…ん」

佐「とりあえず、グループLINEにも共有しとくから」

渡「うん」

佐「翔太はAちゃんと話すんだよ」

渡「…ん」

佐「じゃあ、切るよ」

渡「ハイ、ありがとう」

切られた、電話。とたんに不安になるけど。
…うん
あいつの目が覚めたら、謝ろう。

俺は男だから、理解はしてやれないけど。
楠の話を聞いて、知ることはできるから。