待ち人 ページ23
コツコツ…と響く足音。
辺りを見回しながら探す北人の姿。
少し先に止まっていたタクシー。
HT「来たっ！Aさんだっ！」
後ろの窓にかじりついていた北人。
身体を向き直らせる。
隣に乗っていた壱馬。
俯いたまま、動かない。
HT「壱馬。」
視線を窓の外に移せば、北人を探しているA。
HT「何してんの…早く行きなよ…。」
見つからない…
出だしの言葉が…
HT「壱馬！」
KZ「なんて声掛けんだよ…。」
HT「なんてって、普通でいいじゃん…。」
KZ「その後は…？」
頭の中も胸の中も色んな感情が交差して、まとまらない。
運転席の背もたれを掴む。
KZ「もう出してください…。」
HT「えっ！？ちょっ！待ってください！」
困った顔の運転手。
HT「どうして！？来てくれたんだよ！？」
KZ「お前が呼んだからだろ…。」
俺ならきっと…
来てない…
HT「諦めんの…？」
KZ「結婚だぞ！？付き合うのとは話が違うだろ…。」
北人は壱馬の腕を軽く掴んだ。
HT「諦めることは、いつだって出来る…。」
俺たちは…
何度も諦めたくなって…
でも何度も自分を奮い立たせてきた…
だから今があって…
RAMPAGEがある…
KZ「それとこれとは…。」
HT「同じだよ。」
揺るがない視線。
HT「諦めたらそこで終わり。」
誰もいなくて時計を見るA。
HT「会うべきだ…。」
KZ「北人…。」
HT「もし、Aさんが本気で登坂さんと結婚するつもりなら、その時諦めよ。ね？」
ゆっくり開く扉。
一人タクシーを降りると、足を止めているAに近づいて行く。
ザッと音がすると、振り返る。
「壱…馬……くん？」
俯いて噛む唇。
どう頑張っても見つからない。
かける言葉。
落とした視線の先に入る、薬指の小さなリング。
思わず歪む顔。
KZ「……遊園地。」
「え…。」
KZ「休み…貰えそうなんだ…。」
「あ……。それ…なんだけど…私…。」
Aが言いにくそうに視線を落とした直後。
強く抱きしめられた。
反動で地面に落ちるカバンとジャケット。
KZ「絶対……諦めねぇから…。」
ハッとするAの耳元で囁く。
KZ「俺は絶対…諦めない…。」
「壱馬くん………どうして…。」
知ってるの…？
KZ「好きだ…。A…好きだよ…。」
結婚なんか…
するな…
どこにも…
行かないで…
微かに震えている声。
抱きしめる腕の力が強くて、痛いくらいだった。
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ゆい(プロフ) - 更新お疲れ様です！ヤバいです！壱馬がどんどん動き出しててドキドキしてます！ (2019年5月28日 1時) (
レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» わーごめんなさい！段々物語が動いていくので楽しみにしててくださいね！ (2019年5月25日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - いいとこで終わってしまいました（涙）続きが気になります(〃ω〃) (2019年5月24日 23時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» 二人とも諦めちゃダメ！って思いながら書いてます。いつも読んでくれてありがとう。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» 強引ですけど、ホントに好きな人からのサプライズだったらこんな嬉しいことはないんですけどね。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年5月17日 20時
