ママチャリ放浪日記【OP】

日記２５ ページ30

『船長さーん！！せーんちょーさーん！』


「ピカピカ〜〜！！」



何度呼びかけても何度揺さぶっても一向に起きる気配は無い。温厚で有名な私もここまでくると流石にイラッとする訳で



『よろしい。ならば戦争だ』


ポケットからワイヤレス式のスピーカーを取り出す。なんで入ってたかは知らんがカラオケパーリナイ出来るよ






『コンセントコンセント………あ、相棒！100Ｖ！』


「ピーカー！！ヂュウー！！！」



『よしよし、そのままキープ。あと耳塞いでな』


「ピカ？」



スマホに繋ぎとある動画を流す。一時期クラスで流行った音MADだが…これが分かる人は私の同士だ。おめでとーございます








＿"絶対合格してやるぜェェェェ！！もう受かる気しかしねェェェェぜェェェ！！！"



『(くる！)』




即座にスピーカーの音量を上げ耳を塞ぐ








＿"ア"ア"ァァァァァ！！！！"



「！！？」((ﾋﾞｸｯ


『お』



この大音量で起きなければ病院行きだと思ったが……うんうん。気持ちのいい朝を迎えたようで良かった





「………」



『………』



＿"ﾋﾞﾌﾞﾝ!ｾｷﾌﾞﾝ!ﾆｼﾞｶﾝｽｳ!ﾋﾞﾌﾞﾝ!ｾｷﾌﾞﾝ!ﾆｼﾞｶﾝｽｳ!"





「……なんだこれは」


『……朝はアラーム音より音楽の方がスッキリ目が覚めるんですよ』


「………止めろ」



ピカチュウにやめ、と合図を送りスピーカーをしまう。強制的に叩き起され随分不機嫌な様子だが……おなごに手を出すのは気が引けるのか何も言わずにベッドから降りた









「"Room"」


「え！？ちょキャプテン！！？」



代わりにシャチが犠牲になったらしい





・






・






『私〜ご飯食べたらここ出ようと思ってるんですよ〜』



「「「「「……は？」」」」」



突然のおいとま宣言にピタリと動きが止まる。昨日の今日だぞ、やらまだゆっくりしてけよ、やら色々引き止められるが……



『やー流石に海賊さんにご迷惑をかける訳にはいきませんし……昨日ふと思ったんすよ。時間掛かるなら元いた島に戻ればいいんじゃね？と』



そう、要は最初に行き着いたあの港に戻れば良いだけの話。あそこまで戻り今後どうするかじっくり考えればいいのだ。まぁあのチューリップ達も居ないだろうし……





「ええ！？でも次の島まで5日はかかるんだよ！！？もう少しここに居てよ！」




『次の島って………行き先決まってるんですか？』



「「「「「「……は？」」」」」」



『ん？』

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