その41 ページ43
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「張り切りすぎたかな…」
待ち合わせ場所でスマホのインカメで身嗜みを確認する。
姉に編み込んでもらった髪が可愛らしさを演出していた。
時刻は待ち合わせ時間の30分前を指している。
さすがに早く着きすぎた。
ここでようやく自分が浮かれていることに気付かされる。
それを自覚するとだんだんと緊張してきた。
幸い時間まで30分もある事だ。
大きく息を吸って吐く。
落ち着け私、平常心、へージョーシン…。
「おい」
「ひゃぁっ!?」
何事か、と数名がこちらを向いた。
「驚きすぎだ」
「先輩こそ気配を消して近づかないで下さい」
時計を見ると先程から数分しか経っていなかった。
「…早くないですか?」
「お前こそ」
横目で先輩を見やるとラフな格好が長い手脚に映えている。
それに顔の良さも相まってモデル並みの見目である。
今日1日この人の横を歩くのか…。
自分で誘っておきながら気が重くなった。
「…少し早いけどもう行きます?」
「あぁ、そうだな」
そう言って先輩は私の手首を掴んで歩きだす。
そう、手首を掴んで。
「いやいやいや、何ですかコレ」
「お前、はぐれたら小さくて見つけられなさそうだろう」
否定は出来ないけど癪に障る言い方だなぁ、もう!
「見た目的に不自然ですから」
そっちがその気なら…。
その手を1度振りほどいてせめてこうしてください、と手を繋ぐ。
先輩を見上げると照れくさそうな顔をしていた。
思わずふっと笑うと何笑っているんだ、と空いている手で無理矢理前を向かされた。
「ところでお前手汗やばいぞ」
「はぁ?自分じゃないんですか?あんな顔しておいて」
繋いだ手は離さなかった。
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レン - そしてすずな。幼なじみのnameだ (2018年7月1日 18時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
レン - へ!?須藤?私呼んだ? (2018年7月1日 10時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 完結おめでとうございます!降谷先輩面白かったです!!!!続き楽しみしてますね! (2018年6月20日 22時) (レス) id: d9d137c800 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 第1幕完結おめでとうございます!読んでいて凄く楽しかったです。第2幕期待しています! 更新頑張って下さい! (2018年6月20日 19時) (レス) id: 19822e9e12 (このIDを非表示/違反報告)
志歩(プロフ) - 超キュンキュンします!!(^○^)更新頑張ってください! (2018年6月3日 7時) (レス) id: 34fe10cc01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠々菜 | 作成日時:2018年5月21日 21時