降谷先輩。 【降谷零】

その35 ページ37

*°


｢やっほー有理ちゃん｣


｢やほやほー｣


｢梨々実ちゃんにAちゃん…ってその格好どうしたの？｣



あの後も何人もの人に声をかけられて、やっとの事で目的地到着。



着いてみれば有理ちゃんは受け付けをやっていた。



模擬店に合わせた浴衣が随分可愛らしい。



｢ちょっと色々ありまして…｣



｢ちょっと待ってて｣



そう言って教室内に戻りクラスの子に声をかけてからまた私たちの元へ戻ってくる。



｢休憩もらってきた。うちの模擬店に来たんでしょ？一緒にしよう！｣



私たちが手に持っていた優待券を取って代わりに受け付けになった子に渡す。



｢ヨーヨー釣りのコツ教えてあげる、本当はダメなんだけど｣



笑って私達の手を引く彼女にはなにか違和感があった。



いや、少し前から違和感は感じていた。



いつから…？何があった時から…。



確か昨日から…。



｢有理ちゃん、先輩と何かあった？｣



小声で聞いてみると彼女は目を見開いた。



そうか、有理ちゃんが告白した翌日だったんだ。



｢…フラれちゃった、好きな人いるんだって｣



へぇ…先輩にもそういう人が…。



誰…なのかな。



まぁ、考えても仕方ないか。



ヨーヨー釣りのこよりがプツリと切れた。

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